韓国料理:「グローバル化」にほど遠い現実(下)

 農水産物流通公社のキム・ドンモク韓国料理グローバル化チーム長は、「調査の結果、湯通しする、ゆでるなど、韓国料理固有の基本調理法を知らないまま、日本料理や中華料理と変わらないような韓国料理を作っている店も多かった」と話した。

 外国人らも、正体不明の韓国料理は好まない。米国の韓国料理店のうち、韓国人の客が半分以上だと答えたところは61%で、韓国人の客が90%以上だと答えたところも20%を超えた。主に在米韓国人が客ということだ。

■米国の空港でも韓国料理は好まれず

 シカゴ・オヘア、ロサンゼルス、デンバーなど、米国の国際空港10カ所に入店している外国料理店の数を調査した結果、韓国料理店は1カ所(ジョン・F・ケネディ国際空港)しかなかった。しかし、同じアジア系でも中華料理店は16店、日本料理店は12店に達している。

 食品会社CJの関係者は、「空港のテナント料が高いため、韓国料理で採算を取ることができるのか問題だ。空港に入店する場合、入札を経なくてはいけないが、そのための情報も少ない」と話している。

■韓国料理の専門教育機関を選定へ

 専門家らは、韓国料理のグローバル化を推進するためには、調理法の標準化やメニューの外国語表記の統一を急ぐべきだと忠告している。日本の「すし」のように、手軽ながら各国の人の舌に合うようなメニューの開発も並行して行わなければならないという。

 今回の報告書では、味・サービス・衛生の面で韓国料理店の認知度を高め、韓国産の材料を普及させるためには、価格を下げて流通マージンを下げる必要があると提案している。

 政府は「韓国料理のグローバル化」のために専門教育機関を選定する計画だ。今年上半期中に、大学と高校それぞれ2カ所を「韓国料理専門教育学校」として選定し、総額18億ウォン(約1億4000万円)を支援することを決めた。

チェ・ヒョンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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