総理がついに口にした県内の移設先。怒りに揺れた沖縄の一日を取材しました。
辺野古への基地移設反対を掲げた座り込みの活動は、24日で2227日を迎えました。
「アメリカの顔色ばっかりの政治をまた沖縄に押しつける。こんな理不尽な政治はありえない」(ヘリ基地反対協議会 安次富浩 共同代表)
「基地はつくらせないぞー!基地はつくらせないぞー!」(23日)
2度目となる総理の沖縄訪問。23日、沖縄県庁に到着する鳩山総理に対し、大変なシュプレヒコールが上がりました。
「帰れー!帰れー!」
沖縄県の仲井真知事との会談に臨んだ総理は、終始、低姿勢でした。
「どうぞ、おかけいただけませんか」(仲井真知事)
「いや、それも失礼かと・・・」(鳩山首相)
しかし、総理の発言は沖縄県民にとって残酷なものでした。「代替地そのものはやはり沖縄県内に、辺野古の付近にお願いせざるを得ないという結論にいたったところでございます」(鳩山首相)
総理が自ら普天間基地の移設先を「辺野古」周辺と明言したその頃、会場の外では祖国復帰運動を象徴する歌が・・・。
「在日米軍全体の抑止力を現時点で低下をさせてはならないと」(鳩山首相)
沖縄県民にとって総理の結論は、これまで14年間、前に進まなかった現行案と本質的に何ら変わりのないものでした。
「現行案ではありません。住民の安全はもちろんですけれども、環境面には徹底的に配慮する」(鳩山首相)
政権交代からこの8か月間で、県民の感情は「期待」から「失望」、そして「怒り」へと変わりました。
「沖縄の人に拝み倒そうとしているでしょ。冗談じゃないですよ。そんな拝み倒されることじゃ、そうはいかない」
「結局、沖縄かっていうのもあって、でもそこであきらめたら本当に終わりだと思うんです」
「絶対つくらせません。命かけて守ります。辺野古を」(県民)
総理が沖縄を発った後、民主党・沖縄県連は対応に追われました。
「苦しいな。我が県連は板挟みであるんですけど・・・」(民主党・沖縄県連代表 喜納昌吉参院議員)
県連代表を務める喜納昌吉参院議員は辺野古への基地建設は不可能と断言した上で、あくまで県外・国外移設を総理に訴えていくとしています。
「いま民主党が国民の期待に応じて行動を起こしていれば、支持率は下がりませんよ。同時に我々の不満を吸収できないような党は問題がある。それを変えるべき」(民主党・沖縄県連代表 喜納昌吉参院議員)
元海兵隊員としてかつて沖縄県に駐留し、いまはその沖縄国際大学で国際政治を教えるダグラス・ラミスさん。ラミスさんは、総理が「海兵隊の抑止力は必要」とした発言に自らの経験から反論します。
「この基地の海兵隊の仕事はヘリコプターに乗って人の国に入ること、侵略すること。特に“沖縄を守る”ということで言えば一切役に立たない」(沖縄国際大学 非常勤講師 ダグラス・ラミスさん)
そして、日米両政府が沖縄にこだわるのは、双方の政府にとって都合が良いからだと指摘します。
「日本(沖縄県外)にたくさん(基地を)置けば、日米安保条約反対運動は復活するかもしれない。日本のほとんどの人は安保が欲しいけども基地は欲しくない。その本土の矛盾をどう解決するかは沖縄を利用して解決する」(沖縄国際大学 非常勤講師 ダグラス・ラミスさん)
(24日17:52)