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足利事件
裁判所HPではまだ「犯人」 足利事件判決文、重要判例で掲載(5月23日 05:00)再審無罪が確定した菅家利和さん(63)の足利事件をめぐり、最高裁は菅家さんを有罪とした東京高裁と最高裁の判決文を重要判例として、ホームページ(HP)で公開している。両判決とも、捜査側が逮捕の決め手としたDNA型鑑定の結果を「科学的に信用できる」などと判示。だが、今春の宇都宮地裁の再審判決は、その証拠能力を否定した。菅家さんは「名誉回復につながらないので、削除してほしい」と求めているが、最高裁は「修正する考えはない」と拒んでいる。 裁判所はHP上で、主要な刑事事件や民事事件の判例を公開。最高裁が初めてDNA型鑑定の結果を刑事裁判の証拠として認めた足利事件は、東京高裁と最高裁の判決文が掲載されている。 1996年の東京高裁判決は、本件のDNA型鑑定の結果を「犯行と被告人(菅家さん)を結びつける重要な証拠」と判示。2000年の最高裁も「技術を習得した者により、科学的に信頼される方法で行われた」などと、菅家さんの上告を棄却した。 だが、宇都宮地裁は再審判決で、DNA型鑑定の証拠能力を否定し、「菅家氏が犯人でないことは誰の目にも明らか」などと無罪を言い渡した。 菅家さんは「完全無罪になったはずなのに…」と困惑した表情を浮かべる。主任弁護人を務めた佐藤博史弁護士も「誰でも閲覧可能なので、無罪が確定したことも補足してほしい。裁判所が(誤判を冒したという)自分の恥をさらし続けている状態だ」とあきれる。 一方、最高裁は「当時、その判断をしたことは事実なので、過去にさかのぼって修正などをすることはない」と説明。今後も公開を続ける。 一覧
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[足利事件]
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