中国地方の10年後の活性化ビジョンを探る「ちゅうごく未来塾→2020 福山シンポジウム」(中国新聞社、中国放送主催)が22日、福山市霞町のまなびの館ローズコムであり、約200人が参加した。「定住・交流」をテーマに、世代を超えた連携によって地域の豊かさをはぐくむ知恵を出し合った。
基調講演した大田市温泉津町の旅館おかみ山根多恵さん(29)はIターンで老舗旅館を継承。地域のために働く人材育成の拠点づくりを目指し、経営を再建した経験を紹介した。
続くパネルディスカッションは、日本折り紙ヒコーキ協会会長でキャステム社長の戸田拓夫さん(53)、福山市立女子短大准教授の近藤桂司さん(49)、広島経済大教授の川村健一さん(61)、山根さんの4人が意見交換した。
戸田さんは「応用力を持つ人間を育てる土壌がある地域には企業や研究所も集まる」と指摘。近藤さんは「商店街の2、3階に学生が住む『混住』を進めれば労働力と消費力が生まれる」とした。
川村さんは「お金より仲間が資本。助け合い、感謝しあう関係が豊かに生きる原点」。山根さんは「若者定住に地域で知恵を絞るしかない」と訴えた。
広島市を拠点に活動する神戸市生まれのシンガー・ソングライター森本ケンタさん(25)はメッセージトークで「大好きな広島にこだわり、思いを発信し続けたい」と抱負を述べた。
【写真説明】「定住・交流」をテーマに意見交換したパネルディスカッション(撮影・増田智彦)
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