口蹄(こうてい)疫で政府の現地対策本部と宮崎県は、十三日を最後に感染疑い例が確認されていない同県西部のえびの市で二十四日、血液検査などによる牛や豚の安全性調査に乗り出した。川南町などでは引き続き疑い例が多発しているが、同本部は、えびの市では沈静化したとみて実情把握を急ぐ。
安全が確認されれば、えびの市内の発生地から半径十キロで設定されている家畜の移動制限区域が六月四日に解除される。
農林水産省は、発生地から半径十〜二十キロ圏内の牛や豚をすべて食肉処理し「緩衝地帯」をつくる政府対策に基づき、都農町の食肉処理場一カ所を消毒徹底などを条件に再開させる方針を決めた。
同処理場は移動制限区域内にあり、四月から操業を休止していた。農水省は、半径十〜二十キロ圏に食肉処理施設がないための特例としている。
また、現地本部の山田正彦農水副大臣は二十四日、殺処分方針の見直しを宮崎県が要望している種牛四十九頭について「私は処分すべきだと思うし、おそらく大臣もそう考える。法に基づいてしっかりやってもらわないと示しがつかない」と述べ、特例救済を認めない考えを強調。「精液は残っているので種牛をつくることは可能で、宮崎牛ブランドがなくなることはありえない」と述べた。
安全性調査は、四月二十八日にえびの市内で最初に疑い例が見つかった農場から、半径三キロ圏を中心とする約百六十農場が対象となる。
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