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WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。

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著作権団体:「児童ポルノはありがたい存在」、児ポを口実にしたWebフィルタリング構想

以下の文章は、TorrentFreakの「”Child Pornography Is Great,” Anti-Pirates Say」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:”Child Pornography Is Great,” Anti-Pirates Say
著者:Ernesto
日付:April 29, 2010
ライセンス:CC by-sa

ファイル共有サイトを閉鎖に追い込むため、著作権団体のロビイスト達が児童ポルノを利用してきたことはよく知られている。長い間、彼らはそうしてきた。 彼らは児童ポルノを口実として、世界的なインターネット・フィルタリングを構築することを最終的な目標としている。新たに提案されたEU指令を見る限り、彼らの戦略は成果を上げているようである。

スウェーデン警察がストックホルムのThe Pirate Bayサーバーへの強制捜査を行なってから1年後の2007年、「スウェーデンは海賊達の隠れ家か?」と題されたセミナーが開催された。同志達の熱気が渦巻くその会場では、デンマークのアンチパイラシー団体からヨハン・シェルターが登壇し、パイラシー撲滅のための最終的なプランについて語った。

「児童ポルノはありがたい存在です。」と彼は声高に話した。「政治家達は児童ポルノが何たるかをよく理解しているので、実に都合が良い。そのカードを切ることで、彼らを動かすことができる、彼らにサイトをブロックさせることができる。サイトブロックという既成事実さえ作ってしまえば、次はファイル共有サイトをブロックさせる方向に促すことができるでしょう。」

一般的な感覚からはかけ離れた反応がその会場を埋め尽くした。会場にいた人々はその講演に喝采を送ったのだ。音楽産業や映画産業は長きにわたって、パイラシーは何ら実無く彼らのビジネスを滅ぼす、ということを政治家達に信じ込ませようとしてきた。彼らはさらに、児童ポルノを口実にすることで、さらにもう一押しすることができると考えているのだろう。

「いつの日か、我々はIFPI、MPAと密に協力し、大規模なフィルタリング・システムを開発するでしょう。継続的にネット上の児童ポルノを監視し、フィルタリングの効果を政治家達に示すこともできるのです。児童ポルノは政治家が理解しやすい問題ですからね。」とヨハン・シェルターは彼のお仲間に語った。

それから数年の間、著作権ロビー団体はThe Pirate Bayを無力化するため、各国政府に、裁判所にプレッシャーをかけ続けた。デンマークでは、法廷が国内ISPに対し、The Pirate Bayへのアクセス・ブロックを命じる判決を下すなど、一定の成功を収めている。

政府にインターネット・フィルタリングを実装させるため、児童ポルノ議論が世界中でますます利用されてきている。海賊党議員クリスチャン・エングストロームはブログにて「大手映画・音楽産業はネットの検閲を望み、その実現に向けて、児童ポルノを口実として利用することを躊躇しない。」と、この問題についてクリティカルな指摘を行なっている。

エングストロームのコメントは、スウェーデンの欧州委員会委員セシリア・マルムストロームの欧州インターネット・フィルター構築プランへの反論であった。エングストロームが注意を呼びかけているように、フィルタリングは真の問題を隠すだけではなく、当の違反者達が制限を容易に回避することができることにもなる。児童ポルノを拡散させる連中をとっつかまえ、刑務所にぶち込むのが目的ではないの?

そんなんでいいのかね…。

ネット上の汚物は消毒、これが我らの未来?(The Cleanternet, Our Future?)

なかなか皮肉の効いているビデオだね。1分25秒あたりのリークされたFilterlistのところで止めてみると…。

児童ポルノなら仕方ない、というところから、なし崩し的にこうした規制が拡大していく懸念というのはある。もちろん、児童ポルノの拡散は深刻な問題で、解決しなければならないものではあるのだが、児童ポルノの定義やその対策の他領域への拡張可能性などについては、事前にきちんと議論しておかないと、あとあと恐ろしいことになるだろうなぁと心配になる。

日本でも、政府がISPに「自主規制」を強制するようだが。

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