ジャーナリストの田原総一朗さん(76)が22日、那覇市内で講演し、米軍普天間飛行場の移設問題について「冷戦が終わったんだから、新たな日米関係を構築すべきだ。(普天間の)抑止力とは何か、根本から議論しなくてはならない」と強調、鳩山政権に積極的な対米交渉を求めた。
主催したのは、沖縄タイムス社のタイムス女性倶楽部。
田原さんは旧知の仲の鳩山由紀夫首相との会話を紹介しながら、普天間問題をめぐる政権内部のドタバタぶりを指摘。「鳩山さんはよい情報しか伝えない官僚や大臣に振り回され、情報収集能力とその情報の真偽を判断する能力がない」と批判した。
核開発を進める北朝鮮などをにらんだ抑止力の観点から、沖縄に米軍基地が必要という主張には「国の再建のため日本から多額の経済的援助が必要な北朝鮮が、日本を攻撃することは100%ない」と強調。中国脅威論については「中国はもうすぐ日本のGDP(国内総生産)を追い抜く。日本の将来のためには、日本は米中の間に入り、(経済発展著しい)中国といかに仲良くするかが大事だ」と述べた。
政治とカネの問題で批判が高まる民主党の小沢一郎幹事長にも言及。
7月の参院選に向けて「鳩山さんと小沢さんに辞めないでほしいと願っているのは、民主党ではなく自民党だ」などと、「敵失」を狙う自民党の思惑も解説した。
会場には約630人の聴衆が詰めかけ、田原さんの歯に衣(きぬ)着せぬ語り口に聞き入った。