嘉麻市下山田の下山田小学校を今から50年前、1960年3月に巣立った卒業生の同窓会が22日、同小で開かれた。卒業生と恩師の計約50人が参加し、懐かしい校歌の歌声を校舎に響かせた。同窓会は10年ぶりで2回目。「卒業から50年の区切りに、同じ時間を共有した仲間と語りたい」と、世話人会(大嶋順司代表)が企画した。
千葉や京都など2府10県から集まった一同は、同小の佐竹正利校長に3万円を寄付。続いて6年時の担任だった松隈節子さん(74)の伴奏で校歌を歌った。「二千五百はほがらかに」と、児童数をほこらしげにうたった歌詞は、人数が減った今は「共に手をとり朗らかに」に変わった。だが、この日は当時の歌詞のまま声を合わせていた。
京都府長岡京市から初めて参加した村松麗子さん(62)は「当時は食べ物もろくになく、げたで通学する生徒もざら。貧しかったけど、炭鉱で栄えた地域は温かくてきらびやかな時代だった。校歌を歌いながらいろんな思い出がよみがえった」と涙を浮かべていた。
=2010/05/24付 西日本新聞朝刊=