九州新幹線の全線開通に向けて4月に新駅舎が完成した久留米市のJR久留米駅で、東口に続き西口も通り抜けできるようになり、23日、東西を結ぶ自由通路の開通式があった。西口の供用開始で、今月公開された洋画家・坂本繁二郎生家や水天宮などの観光名所にも行きやすくなる。
式典で、楢原利則市長が「市の将来を左右する節目ともなる九州新幹線開通に向け、駅周辺整備に力を入れてきた。市の活性化につなげるため今後も全力で取り組みたい」とあいさつ。地元住民でつくる「青木繁旧居保存会」からは、JR久留米駅に対し、青木繁の代表作「海の幸」のレプリカが寄贈された。
関係者そろってのテープカットの後、地元の園児たちが音楽に合わせて元気に渡り初め。長男の旭君(5)と訪れた同市本町の吉貝美香さん(40)は「駅周辺が明るい雰囲気になった。利便性も上がるし、街が発展する姿を見ると市民としても楽しい気持ちになります」と話していた。
自由通路は、駅舎の2階で駅の東西をつなぐ幅10メートル、全長100メートルの通路。西口がなかった旧駅舎時代は地下通路まで遠回りして東西を行き来しなければならなかったが、約3分の1の距離で渡れるようになった。
=2010/05/24付 西日本新聞朝刊=