名古屋−大宮 後半、大宮・福田のボールを奪いに行く花井(右)=瑞穂陸上競技場で
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A組の名古屋グランパスが大宮に大敗した。FC東京は途中出場した大竹の決勝ゴールで新潟を下し、首位を守った。京都はC大阪に競り勝って2位に浮上。B組は浦和がポンテとエジミウソンのゴールで湘南を振り切り、首位を堅持。清水−横浜Mは無得点で引き分け、山形は秋葉のゴールで神戸に勝った。A組の仙台とB組の磐田は試合がなかった。
◆大宮3−1名古屋
試合終了の笛が鳴っても立ち上がることはできなかった。今季初先発の花井は、終戦の瞬間をベンチで迎えた。センターバック(CB)で先発し、後半開始時はトップ下でプレーした。自分のCB像を見せると意気込んで臨んだが、後半28分、杉本と交代した。
最も悔やんだのは、中盤のミスから先制された場面。「ボールを取られた時点で切り替えないと。一瞬のすきを突かれた。情けない」。自分の裏を取られてシュートを打たれた。
集中力を欠いたつもりはなかったが、立て続けに、2点目、3点目を奪われた。3点目は、ラファエルに簡単にかわされ、「シュートを打たれると思って体を引いてしまった。何もできなかった」と、力不足を痛感した。
ハーフタイムには、ストイコビッチ監督からの叱責(しっせき)を覚悟したが、「楽しんでこい」と激励で送り出された。「取り返せ」というメッセージと受け取った。後半は、トップ下にポジションを移したが、「失点を取り返してやる」と、強く思った。
挽回(ばんかい)のチャンスは後半6分に訪れた。FW巻のポストプレーから、狙い澄まして左足のシュートを放った。決まるかと思われたが、バーにはじかれた。唯一、花井らしさを見せたが、「あそこは絶対決めないといけなかった」と、悔いはさらに強くなった。
ピクシー監督は花井のミスを責めなかったが、課題ばかりが見つかった。CBでは攻撃の起点になりきれず、トップ下でもボールを触る機会を増やせなかった。自信は打ち砕かれた。「ここで終わったら意味がない。ここ(トップ)のピッチで100%力を出せるように、練習から強い気持ちを持つしかない」。絞り出した言葉に、決意がにじんだ。 (伊東朋子)
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