大竹しのぶも「年齢重ねてもシャープさ変わらない」新藤監督を尊敬

　日本最高齢の映画監督である新藤兼人監督（９８）が現在、東京・調布市の日活撮影所で新作「一枚のハガキ」を撮影中だ。前作「石内尋常高等小学校　花は散れども」に続き、俳優・豊川悦司（４８）、女優・大竹しのぶ（５２）が出演する同作は、監督の戦争時の実体験をもとにしたもの。「戦争反対」をメッセージに掲げ、“最後の新作”に心血を注いでいる。

　１９９９年の「生きたい」に初出演。現在では新藤組に欠かせない存在となっている大竹は、監督を「地に足をつけて、一生懸命生きている人の姿を、監督でしか表せない独特な世界で描く。舞台に近いことを映像でやる感覚っていうのは、面白い」と評する。

　何よりも尊敬しているのは、映画に対する姿勢。「生きるってことは映画を撮ることだということを、本当の意味で言える方。的確な演出をされますし、年齢を重ねても頭の中は全く変わっていませんね」。撮影の合間に時折見せるおちゃめな表情にも“若さ”を感じるという。

　今作では、夫を相次いで亡くし、家庭が崩壊していく中で、一人力強く生きていく女性を演じる。「戦争はもちろん愚かだけど、それでも人は前を向いて生きていかなければならないという、監督の強いメッセージが伝われば」と意欲を見せていた。