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うそで塗り固められた「聖職者」 北教組事件初公判にあ然 (1/3ページ)
うそつきは泥棒の始まり−。昔、小学校の先生から言われた言葉を思い出した裁判だった。19日に開かれた民主党の小林千代美衆院議員陣営への北海道教職員組合(北教組(ほつきようそ))違法献金事件の初公判。教職員の政治活動とカネをめぐる疑惑を解明する場として期待されたが、明らかになったのは、子供たちに「うそはいけない」と教えるべき教師像からはほど遠い“聖職者集団”の実態だった。
不可解な“変貌”
「子供を教える立場の教職員組合がこのような違法行為をしたことに対し、深く反省している」
札幌地裁で最も広い805号法廷。被告人席には、政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反の罪に問われた北教組委員長代理の長田秀樹被告(50)の姿があった。
教育大学を卒業し、平成13年までは学校現場に赴任。いまも北海道内の小中学校などの教職員約1万9千人が加入する教職員組合のトップとして君臨する長田被告。法廷では、ややうつむき加減で何度も「反省」「信頼回復」という言葉を口にした。
しかし、長田被告が逮捕された当初、北教組は「法に違反する事実は一切なく、逮捕は不当な組織弾圧と言わざるをえない。組織一丸となってたたかっていく」と徹底抗戦の声明を出した。長田被告も取り調べに黙秘を貫いてきた。それが初公判で一転、小林氏陣営への1600万円の違法献金を認めたばかりか、「声明は誤りだった」と手のひらを返したのだ。
かつては学力テストの実力阻止をめぐる暴行事件の裁判で、約15年にわたる法廷闘争を繰り広げた北教組の“変貌(へんぼう)”だった。