若宮健リポート

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若宮健が社会のリポートをおくります。


『1Q84』3を読んで思うこと

 今話題の『1Q84』3を読んだ。 『1Q84』3の中で、次のような記述がある。P171で、大麻を吸う話から「(前略)煙草やお酒やコカインに比べれば遥かに弱いものだよ、依存症になるから危険だと司法当局は主張しているけど、ほとんどこじつけだね。そんなこと言ったらパチンコのほうがよほど危険だ。(後略)」

 大麻よりも、コカインよりも、本当はパチンコのほうがよほど危険なことを作者村上春樹氏は知っておられるようである。欺瞞国家日本では、医学的には、大して害がないといわれる大麻は吸ったら逮捕される。だが、依存症による自殺や、殺人などの事件を生み出しているパチンコは放置されている。

 放置されているどころか、4月14日の産経新聞の報道によれば、超党派でパチンコを法律で合法化しようとしている。ドラックよりも、大麻よりも被害が大きいパチンコを国会議員が合法化しようとしているのである。この現実をどう捉えるか、国民の民度が問われる。

 『1Q84』3の、P171をしっかりと読んで欲しい。日本という国は、偽善と欺瞞に溢れた国であることを実感して欲しい。大麻を合法化してくれとは言うつもりはない。しかし、パチンコの被害に目を瞑り、政治家から、官僚、マスコミまでもが、換金が違法な業界にぶら下がっている現実をしっかりと検証して欲しい。

 カジノを日本でもやりたいから、パチンコの換金を合法化したい。これは、全くのこじ付けではないのか…。カジノ法案に便乗して、政治家達がパチンコ業界のために働く。それによって政治家の懐が潤う。パチンコ議員たちは、ドサクサまぎれで一石二鳥を狙っているのである。

 換金の合法化よりも、パチンコの禁止法案を上げるのが筋だろう。それがまともな政治家の取る姿勢ではないのか? 大麻よりもドラックよりも被害の大きなパチンコを合法化して、一体どうしようというのか…。

 現在の法律では、大麻を吸うと即逮捕である。しかし大麻は、医学的には害が少ないといわれている。パチンコはどうだろう。パチンコ依存症による被害は『1Q84』3に記述されているように、「パチンコのほうがよほど危険だ」なのである。

 とにかく、パチンコを合法化させてはいけない。合法化になったら、業界のやりたい放題になる可能性が高い。国民の幸せと、国家の行く末を考えたら、韓国のようにパチンコは禁止するのが筋である。
 



2010/04/21


どうする・どうなるトヨタ自動車

トヨタが苦境に陥っている。創業以来の大ピンチである。このピンチを招いた原因は、色々取りざたされているが、一番の原因は世界一の三文字に踊って慢心していた。これが、一番の原因だと思う。

 元トヨタマンの一人としては、こんな姿は予想も出来なかったことである。トヨタは、昔から謙虚を旨として来た。謙虚な心を持っていたから業績が伸びてきたのである。

 2年ほど前に、奥田氏がマスコミに対して、「舐めたことを書けはCMを止める」と脅したことがあった。ロシアの、マファイア経営者でも口にしないようなことを、平気で言う姿を見てあ然とした記憶がある。あの姿にトヨタの慢心が表れていた。

 トヨタの“中興の祖”といわれる、元会長・石田退三氏は財界活動を徹底して嫌った人である。あんなものはやってはいけないと言い、石田氏の目の黒いうちは、社長も会長も財界活動はやらせなかった。

 ちなみに近年のトヨタは、財界遊びに熱心すぎた。特に、奥田氏が経団連の会長に就任してからトヨタがおかしくなった。奥田氏は、小泉総理になってから献金を再開し、そして、派遣法の改悪に走った。

 財界活動というが、経団連などは、年寄りの名誉欲を満足させるための存在なのである。故人の石田氏はそれを嫌った。財界活動などは、道楽に過ぎないことを知っていた。今トヨタに必要なことは、石田退三氏のような人物である。

 09年のモーターショーは、入場者が614400人であった。08年は中止だったが、07年は1425800人入っていて前回よりも57%の減少である。車離れが言われているが、筆者は銭離れだと思っている。

 車よりも、生活することが優先されているのであって、銭離れなのである。若者達が急に車が嫌いになるわけは無い。確かに、若者達が車に夢をもたなくなっているのは事実だが…。

 その原因を作り出した責任はメーカーにある。魅力の無い車作り、個性の無い車作りが進んで、各社全部似たような個性の無い車ばかりになった。昭和の30年代、40年代の車には、個性があった。自己主張があった。

 デザイナーが悪いのではなくて、経営的なセンスがただ儲かればいいという姿勢になったから、個性の無い車が溢れるようになり、車に夢がなくなったのである。昔は、車にロマンを求めたものだが…。

 さて、どうする・どうなるトヨタだがー世界一の三文字は忘れて、本来の姿に戻るしかない。品質の良い車を作り、お客の信頼を取り戻すことから始めなくてはならない。

 国の経済を支えてきたトヨタがこけるような事になれば、国内経済にも深刻な影響を及ぼすことになる。一昨年ニューヨークへ取材に行ったときに、マンハッタンを走るトヨタ車が多いのに驚いたが、人の信頼を裏切ってはいけない。

 トヨタは、昔のように謙虚になる必要がある。謙虚な心と社員を思いやる心を取り戻して欲しい。草葉の陰で石田退三氏が泣いている。石田氏はトヨタの本社で一度話を聞いたことがある。古武士のような風格を持った人で、頑固爺さんがぴったりくる人で誠があった。

 トヨタがおかしくなってきたのは、首脳が財界遊びに精を出すようになってからである。下らない財界道楽は止めたほうがいい。経団連も今では、存在意義も存在価値もなくなっている。

 09年3月発売の拙著『TAXI・ニューヨーク』の177ページで、今回のリコール騒動の予言を書いているので、読んで欲しい。次の通りである>。

「個人的な意見としては、トヨタは量を追いかけるよりも、従来の路線で質を追いかけるべきであった。トヨタの車は、質が良いから世界で認められたのである。量を追いかけていては、GMの二の舞になりかねない。トヨタのデーラーで営業マンを勤めた経験から言わせてもらうならば、販売量を追いかけるのは営業マンだけでいいと思う。メーカーは、量よりも質を大事にすれば、量は後からついてくるものだと考える。それにしても、トヨタの動向が気になる」と書いた。

 09年3月発売の本で、原稿は08年の暮れまでに書き終えているので、今回のクレーム騒動は予想もつかなかった時期なのである。私が書いたことが図らずも当たった。別に自慢するつもりはない。私のブログ『社会風刺』を読んでもらえば分かるが、今までも多くの予言が的中している。

  拙著『TAXI・ニューヨーク』で予言したように、トヨタは本来の姿に戻り、量よりも質の追求に邁進するべきである。さらに、人を切捨てすることも止めたほうがいい。優秀な人材は宝なのだから。

 



2010/02/04


政府はパチンコ税の創設を

 政府は税収の減少に頭を痛めている。景気が悪化すると税収が落ち込むのは当然のことであるが、最近は、景気のいい業界を探すのに苦労するほどである。

 しかし、パチンコ業界だけはテレビにCMを多く流し、相変わらず景気がいいのが見て取れる。少し前には、6億円の結婚式を上げて高笑いしていたパチンコ屋の経営者もいた。

 国家財政が苦しいときに、「パチンコ税」を創設するべきである。違法な換金を見てみぬフリをして、脱税も多いのに、何も手を打たないでいる日本の政治家には失望する。呆れかえる。

 選挙前には、「パチンコチェンストア協会」のパチンコ議員は自民党60名、公明党6名、民主党20名であったが、パチンコ議員も与野党逆転して、民主党29名、自民党11名、公明党3名、改革クラブ1名となった。

 民主党が9名も増えた。これでは、パチンコ税の創設は無理かもしれない。民主党も、綺麗ごとを言っているが、パチンコ業界の用心棒が29名もいるのである。テレビに出て、調子の良いことを言っているアノ議員もパチンコ議員に名を連ねている。

 つくづく日本の政治家を信用できなくなる。弱者の味方を標榜している、アノ共産党までもがパチンコ業界には弱い。何とも理解不能な国である。

 パチンコ台メーカーと、パチンコ屋を対象に「パチンコ税」をかければ、5兆円ぐらいは回収できる。今や、景気のいいのはパチンコ業界ぐらいのものである。売り上げが減っているとはいえ、08年で21兆7千億円もある。

 これは、レジャー白書の数字なので、実際はもっと多いと考えられる。国家予算の四分の一に近いカネが、換金が違法なギャンブルに浪費されている国がまともな国とはとても思えない。

 庶民が身包みはがされて、パチンコでむしり取られているカネを税金で回収するべきである。これができないようであれば、国家としての体をなしていない。パチンコを禁止できないのならば「パチンコ税」を創設するしかない。

追記
いつのまにか、パチンコ議員は民主党が2名増えて31名、自民党も1名増えて12名となっている。10年3月25日現在。

今日(4月2日)見たら、民主党が又増えて32名となた。民主党はパチンコ業界の擁護団体か? この国の終末が近いことがパチンコに表れている。



2009/12/06


マスコミも変わって欲しい

 民主党政権で、政治が変わるのは間違いない情勢となってきた。久しぶりに政治が活気を取り戻している。活気を取り戻している政治を尻目に、日本のマスコミは、相変わらず次元の低い政治報道を行って恥じることはない。

 9月30日の『毎日新聞』の1面トップは「民主党議員の政治活動費による飲酒」であった。夕刊紙でも書くのを躊躇するような、チンケなことを1面トップで取り上げる毎日新聞の見識を疑いたくなる。こんなことを穿り出したら切りがなくなる。下手すると泥仕合になりかねない。

 自民党の大物達が、料亭で使う金額から見たら可愛いものである。料亭では一晩に百万円以上浪費されることも少なくない。これでは片手落ちではないのか? 筆者は別に民主党に与するものではない。しかし、あまりもチンケで情けない報道に呆れ果てた。

 政治が変わるのだから、マスコミも変わって欲しいものである。日本の政治報道は10年1日のごとく変わらない。毎日新聞を見るまでもなく、下らないことを穿り出して鬼の首でも取ったような報道をする。10年前、20年前、いや30年前と少しも変わっていない。

 下らないことは書くが、本当に国民に知らせなくてはいけないことは書かない。30年前と同じである。政治記者の体質は、むしろ悪くなっているのでは…。昔は、それはそれ、これはこれとして書く勇気は今よりは持っていたように思う。

 自民党政治が堕落した原因は、マスコミにもある。与党政治家とあまりにも近すぎる関係にあり、政治家を諌める心に欠けていた。だから、自民党の政治家たちは慢心して、何人も総理を代えたり、すき放題やって国民から見放されたのである。

 思い出すのは、麻生降ろしで自民党が醜態を繰り広げていたときのことである。料亭からでてきた森元総理に質問する10人ぐらいいた取材記者に対して「煩い、どけ」と言いながら、手で払いのけるようなしぐさをしたのがテレビで克明に映されていた。あの森元総理の態度に対して、抗議をしたマスコミはなかった。

 あそこまで馬鹿にされて、日本のマスコミは黙っていたのである。あれを見て、日本のマスコミは死んでいると思った。政治が変わるのは間違いない状況になってきた今、時代の変化からマスコミが取り残されて行くのではないか、と心配になってきた。

 『毎日新聞』の記事を読んで感じたことは、政治が変わっても日本のマスコミは変われないのでは、との思いである。相変わらず、ネガティブな取材報道が続き、新政権に対して、ポジテイブな意見や報道を見ることはほとんどない。この点は、外国のマスコミとの決定的な違いだと思う。

大新聞各社は、記者会見をオープンにする方向で進んでいる民主党に対して、反発をもっているようである。記者クラブ制度に安住して、既得権益を持ち続けたい姿勢が見えてくる。これでは、自民党の政治家よりも古い体質にだと言われても仕方がない。

 基本的に、大新聞はネタは独占し、ネガティブなことを多く書き、国民にポジテイブなことは伝えたくないのか、理解不能である。政治が変わっても、マスコミが30年前と同じ姿勢ではこの国は良くならない。

 

2009/10/03


ニューヨークのキャブ・ドライバー白石さん

 拙著『TAXI・ニューヨーク』の主人公白石良一さん(本名)から近況が届いた。

 ニューヨークは相変わらず失業率が高止まりのままで、雇用状況は引き続き悪化の状況が続いているという。イエロー・キャブ・ドライバーの資格試験に応募者が殺到している。当然、キャブ・ドライバーも増えて、キャブのリース料金が1週間のリースで約100ドルも上がった。

 以前は、キャブドライバーが足りなくて、フリート(キャブの管理会社)には休車が少なくなかった。筆者も昨年ニューへヨークへ取材に行ったときに、フリートも訪れたが、祝日ということもあったが休車が結構多かった。リーマンシヨックの前は、日本と同じでキャブ・ドライバーが足りなかったのである。

 白石さんからの報告によれば、ウオール街も相変わらず活気がなく、街が死んでいるという。最近では、ウオール街はお客が少ないので、出来るだけ避けて近づかないようにしているという。個人消費は冷え込んだままで、チャイナタウンも閑古鳥が鳴いている有様。

 タクシードライバーは、時代の空気を最先端で捉える職業である。どんなジャーナリストよりも、リアルタイムの情報を持っているともいえる。街の隅々まで走り、多くの職業の人と接する。

 年内に景気が底入れしたとしても、景気の回復は遅れることが予想される。白石さんの予想は多分当たるだろう。金融機関の不良債権問題も、完全に安心できる状況にはない。

 多分、低金利政策解除はかなり先のことになりそうだ。行き過ぎた金融資本主義に対して、アメリカ政府・FRBはどこまで歯止めをかけるか…。世界が注目している。

 白石さんは、相変わらず夕方の5時から朝の5時まで仕事をしている。1週間仕事をすると、1週間休む。1週間ごとの勤務を続けている。休みの日は海に釣りに行くことが多い。小さいながらも、モーターボートも持っている。日本のドライバーとの格差は大きい。

 白石さんを見ていると、ヘミングウェイのこの言葉を思い出す。「飼いならされた羊として100日生きるよりも、1日をライオンとして生きなさい」白石さんは、ニューヨークという大都会を、餌(お客)を求めて走り回るライオンなのである。形を変えたライオンの生き方も悪くはない。

 

2009/08/29


スタイレックエンタープライズ捜査の件

「スタイレックエンタープライズ」が金融商品取引法違反容疑で警視庁生活経済課の家宅捜査を受けた。「浜の真砂がつきるとも、世に泥棒の種は尽きまじ」とは、よく言ったものである。この事案は、マルチ商法違反にもなると思う。

 実は、昨年8月、知人にこの会社のスーパーホローニアを勧められたことがある。勿論断ったが、ネタになればと思い説明を聞いた。アメリカに留学したという男が偉そうにパソコンを駆使して、スクリーンに色々写して見せた。オーストラリアと、ブラジルにスーパーホローニアを植林していて、5年で成長するので、5年後には販売出来ると言う説明であった。

 その植林の写真も、もっともらしい写真であったが良く見ればどうもうそ臭い写真であった。ためしに質問して見た。「それほど環境に良い木ならば、何で国が積極的に援助しないのか」と聞いたら、今、国と交渉中です、ということであった。

 スーパーホローニアの木片を手にとって見てくれということで、手にしてみた。長さ10cmぐらいの木片だったが、どう見ても桐の木であった。研究して桐の木を進化させたもので、5年で成木になると言い、家具屋などに販路が確保されていると言うことであった。

 次に質問した「会員が増えれば木の生産も増えると思うが、販路は確保できるのか」と聞いたら、木の品質がいいので販路は心配ない、という説明であった。何で日本に植林しないで、オーストラリアなのかと疑問をもった。日本に植林すれば、桐の木だということが直ぐばれるからではなかったのか?

 そして、渡されたのが「クラス別グローバルボーナス予想金額」という印刷したものである。

クラス名(グランド)で年500万円、月40万円
    (コスモ)で年1億2000万円月1000万円というものであった。グランドとコスモの間には、オーシャン、スカイ、アースと続いた。月に1000万の収入になるとは驚いた。全くふざけた話しである。

 これは、マルチ商法にも抵触すると思う。そのときの、担当者の説明では、政治家が会員の集まりで講演をやらせろといってきているが、高い講演料を払うのは馬鹿らしいから断っている、と言っていた。つくづく日本の政治家が信用できなくなる。それと、学者やタレントの関与である。今回の件も、会員の集まりで九州地区の大学教授が、会員の前で推薦の話をしている。こういうエセ学者こそが罰せられなくてはいけない。

 しかし、いつ場合にも捜査の手が入るのが遅すぎる。どうしてだろう。被害者が多くなる前に捜査に入れないものなのか…。筆者が説明を受けた08年8月には、堂々とホームページももっていたが、数ヵ月後にHPも閉鎖している。HPの閉鎖でこれはおかしいと確信を持った。

 その担当者の話しでは、ニューヨークと日本に上場する予定だと話していたが、「実績もないのにどうして上場するのか」と聞いたら、このままで推移すれば間違いなく上場できると言うことであった。

 株に関しての知識を多少でももっていれば、とても信用できる話しではなかった。納得できないのは、いつの場合も、政治家の関与が表面化しないことである。それと、被害者が多くなってからでなくては捜査を進めないことである。

 もっと被害が少ないうちに手を打てないものか? マルチ商法では、このことが納得できない。刑罰も甘すぎる。マルチに対して刑が軽いのは、立法府である国会議員に何か思惑があるのだろうか? 刑法が軽すぎるから、次々と新しいマルチ商法が発生し、一握りの者たちが大儲けして、無知な庶民が被害者になる。

 マルチの救いようのない点は、被害者が加害者にもなることである。次のお客を強引に勧誘するから加害者にもなる。身近の人間から勧めていくから、友情が壊れたり、親戚関係が疎遠になったりする。マルチによって人間関係も壊れる。マルチにかかわることは、政治家でも芸能人でも、一般人でも、人間としての品性が問われる。刑法も含めて真剣に考えるべき時期に来ている。




2009/06/09


財政破綻は大丈夫か

 最近は、マスコミも財政破綻の事には触れなくなった。何となく不思議な気がしてならない。定額給付金に2兆円を気前よく出し、さらに補正予算で大型の財政出動が取りざたされている。景気対策大型予算となれば、嬉しがって張り切るのは族議員達である。

 族議員達の懐が潤って笑いが止まらなくなるのは目に見えている。ちょっと待ってくれと言いたい。100年に一度の経済危機といわれ、税収も減っている。これからますます減ってくるだろう。気前良くバラマキをやって大丈夫なのか心配になってくるのは当然のことである。別に大げさなことではない。

 麻生政権は「後は野となれ山となれ」と考えているとしたら恐ろしいことである。30兆円規模の景気対策が検討されている。30兆円をぶち込んでも、景気が回復する保証はない。一度立ち止まって考えて見る必要があるのでは…。

 先進国では一番多い借金国であることを忘れていないだろうか? このままで行けば、1000兆円の借金国になるのはそんなに時間はかからないだろう。(実際は隠れた借金を入れれば、1000兆円をすでに超えている)最近は、政府発行の偽札を作る話まで出ているということは、何を意味するのか?

 政治資金の問題を見れば分かるが、日本の政治家たちは、自分達に都合の悪いことはすべて先送りしてきたのである。その最たるものが国の借金なのである。アメリカは国家としての多重債務者になった。日本も多重債務という点では似たようなものであるが、実際の借金はアメリカよりも酷い。

アメリカは落ちぶれたとはいえ、国債を買ってくれる国(日本のような)がある。日本の国債は買ってくれる国は一つもない。もっとも格付けがアフリカの小国と同じ格付けでは、どんな国でも買ってくれるわけがない。国債は国内で消化するしかないのである。

 改革、改革と叫んだ小泉は典型的なエセ改革者であった。世界第2位の経済大国といわれ、国民の命も生活も、経済大国維持のために犠牲にしてきた。日本人は、見た目だけの「幸せ芝居」を演じて生きてきたのである。むしろ後進国の貧しい国民のほうが人間らしい生きかたをしている。

 欧米のメディアは、すでに2001年頃から日本は自滅に向っているのでは、と警告を発していた。今の日本人は、財政破綻という怖いものを見ないようにしている、としか思えない。怖いものを見ないように目をそらしているのである。エセ学者も、エセ文化人達も財政破綻には口をつぐんでしまっている。

 恐ろしいことに、本当のことを言う人間はテレビから遠ざけられているのである。危機感をもって問題提起する人間は敬遠されている。政府は、第2次世界大戦のときのように、最後の最後まで大丈夫と言い続けるだろう。すでに本当のことを言う人間は敬遠されてきている。

 もし、財政破綻が現実のものとなればどうなるか。国債は紙切れ同然。預金封鎖は当たりまえのことで、当面の生活資金しか引き出せなくなるのは当然のことである。2001年の暮れに国家破産したアルゼンチンの姿を検証すれば、日本の姿が見えてくる。

 国家が破産すればどうなるか? 「官」が借金を踏み倒す。つまり、国債を償還しない。または、借金は踏み倒すことはしないが、国民に重税を課し、その重税で国債の償還に当てる。これしか道はない。つまり、どっちに転んでも国民は酷い目に遭う。

 アルゼンチンは、01年12月23日全閣僚と大統領が辞任。そして、暫定大統領のロドリゲス・サーが対外債務の支払い停止を宣言した。預金封鎖により国民は自分の預金を1週間に250ドル(米ドル)しか引き出せなくなった。そして事実上の預金没収である。

 政府は、対外的に日本は国民の預金が1400兆もあるからと口癖のように言うのは、没収できるカネが1400兆円もあるから安心してくれと言うことなのだ。国民の預金があてにされているのである。

 財政破綻して、IMFの管理下におかれた場合どうなるかー02年にデフォールトしたアルゼンチンと同じことになる。財政再建が第一義となるから、年金も支払い停止、失業保険も支払い停止となるだろう。

 要するに財政破綻に至れば、国民は地獄を見ることになる。定額給付金に2兆円もばら撒いて、恥じることがない与党の政治家たちは、いずれ襲ってくる地獄の前にささやかな饗宴をしてくれということかもしれない。

 経済が疲弊している今、もし国家破産となれば最悪のタイミングとなる。アメリカも事実上国家破産しているような状況なので助ける余裕などない。見放すしかないだろう。最悪を想定するならば、アジアの大国がどんな行動にでるかである。それが一番恐ろしい。

政治家も国民も早く目を覚まさなければ、この国は大変なことになる。

 2009年4月10日追記

4月10日付の毎日新聞によれば、国の税収が国債発行額を下回る見通しとなった、と報じている。どうやらこの国は、財政破綻に向ってまっしぐらに進んでいるような状況となっている。

 


2009/03/21


西村眞悟議員がパチンコ関連法案提出

 衆議院議員の西村眞悟氏が「パチンコ店における出玉の換金行為を取り締まり、完全に違法化することに関する請願」を国会に提出した。ようやく勇気ある議員が現れた思いがする。

 この国には、国民のことを考える議員は不在なのかと思っていたら、良心をもった議員がおられた。西村議員は、過去に尖閣列島に上陸して、日本の国土であることを主張したこともある。勇気があり、真心を持った人だとは思っていたが、良くぞ法案を提出してくれた。

 残念ながら、審査未了となっているが、請願を出したことは評価しなくてはいけないと思う。これからも、国民に訴えてパチンコ撲滅に努力して欲しい。我々国民も、パチンコマネーに汚染された議員たちは国会議事堂に入れないことである。

 筆者が韓国のパチンコ禁止をリポートしたのが07年7月17日。あれから1年7ヶ月経ったが、こうなれば、みんなで西村眞悟議員を応援しよう。ここで応援しなければ後で後悔することになる。

 あの韓国でさえパチンコを禁止しているのに、日本が禁止できないわけがない。ここで禁止にすれば、従業員は困ると思うが、国家のためと思って我慢してもらいたい。十年後に、あのときにパチンコを禁止して国が助かったと感謝されることになる。

 法律的には現在でも違法な換金を、3点方式でごまかして営業を続けている姿は、国際的に見ても恥ずかしい姿なのである。是非みんなで、西村議員を応援しよう。勇気ある議員が現れたことに感謝しよう。

日本のマスコミが、このことに対して無視を続けるならば、マスコミではなくてマスゴミである。マスコミもパチンコマネーに汚染されているのは事実だから。

請願情報
http://www.shugiin.go.jp/itdb_seigan.nsf/html/seigan/1700015.htm

http://nanashikai.blog74.fc2.com/blog-entry-131.html

「名もなき市民の会」の署名活動を応援しよう。


2009/02/28


日本は第二の敗戦を迎えたか

 日本は第二の敗戦を迎えたようである。国会でアホウ総理が「日本は世界で一番早く経済危機から立ち直る」とノー天気な発言をしていたが、呆れてものがいえないとはこのことである。下手をすると、世界で一番経済の立ち直りが遅れる可能性がある。アホウさんは認識が甘すぎる。

 アホウさんが自民党の総裁に選ばれたとき、内閣が発足する二日前、筆者は『社会風刺』で次のように予言した。タイトル『自民党の猿芝居が終わった』で次のように書いた「多分今までの二人よりも無様な終わり方をする。これは断言してもいい。今まで色々当ててきたが、今回は高い確率で当たる」と書いた。このHPの08年9月22日付け『社会風刺』で確認して欲しい。

 別に予言が当たったことを自慢するつもりはない。いつも当てているので当然だと思っているから…。そんなことよりも、この国の前途が心配である。この若宮健リポートでも以前、「結婚している息子がいるが、子供は作らないで身軽にしておけ、海外移住を真剣に考えろ、と伝えている」と書いたことがある。08.2.4日『若宮健リポート』

 食料自給率は39%。資源の自給率が4%。資源が何もない国で、慢心だけは一流の経済人たちが、若者をコストとしか見ないで使い捨てにする国に未来などあるわけがない。他の国は、日本のように輸出に頼っている国は他にもある。むしろ日本は輸出依存度は低い。ドイツが38.4%、韓国37.2%、中国36.9%、ロシア29.8%、イギリ17.8%、日本が14.8%むしろ日本は輸出依存度が低いほうである。海外に生産拠点を増やし、国内の空洞化を招いている。雇用の面でも、国内は無視なのである。

 上場企業が軒並み赤字ということは、世界的な需要の低迷というよりも、根本的な問題を日本企業が抱えているのではないかと思う。それは、人間を使い捨てにして、国内需要が冷え込んでいることに原因がある。日本は受けた傷は浅いといっているが、むしろ逆ではないのか…。

 日本は第二の敗戦を迎えているのである。この現実に目を背けてはいけない。昨年まで景気がいいといっておきながら、社員の給料も上げずにむしろ下げていた。働くものたちを粗末に扱ってきた報いが、国内需要の低迷を招いている。国内を無視してきたツケが経済を壊滅させているのである。これは、経営者に問題があった。

 日本は、経済は一流で政治は三流と言われ続けてきた。ふざけるな、と言いたい。働くものたちが一流だったが経営者は一流ではなかったのだ。経営者は二流だったのが現在は三流に堕ちてしまった。経営者が一流だったのは70年代までである。

 経済人たちは、景気のよいときは俺達の力だとふんぞり返り、働くものたちの力だとは一度も言ったことがない。現在のように景気が減速すれば、政治家が悪い、アメリカが悪い、円高が悪い、の大合唱となる。なんとも呆れた経済大国である。羊のように大人しい国民性をよいことに、経済人は中小企業や、人間を使い捨てにして業績を上げてきたのである。

 この国は、間違いなく第二の敗戦を迎えている。日本は、輸出依存度が低いのに、ダメージが大きいのは何故なのか? 経営者に問題があったとしか考えられない。この先日本はどうするか…。政治は四流、経済は三流では国がもたない。根本的に見直す必要がある。政治も経済も。

 マスコミのあり方にも問題がある。日本のマスコミは、強いものに弱く、弱いものに強くなっている。これでは北朝鮮を笑えたものではない。少し前に、経団連の奥田氏が、マスコミに対してCMを止めると脅したことがある。あの一件に日本のマスコミの姿が凝縮されている。

 要するに不況になればなるほど、CMを多く提供する組織には弱くなるのである。少なくとも、昭和の50年代頃までは、それはそれ、これはこれとして、マスコミも不当な圧力には屈することがなかった。経済人も当時は良識をもっていた。批判は批判として受ける度量があった。奥田発言に象徴されるように、経済人に良識がなくなったのである。

 さて、これからこの国はどこに流れていくのか? あまりにも見通しが悪ずぎる。政治が四流、経済が三流でも、謙虚な心があればまだ救われるが、政治家も経済人も謙虚な心を失っている。果たして第二の敗戦から立ち上がれるか。

 政治家も、経済人も総取替えしかない。まず政治家を代えよう。自民党も経団連もいらない。経団連は解体して、あの建物は経済博物館にしたらいい。
 



2009/02/05


連合の存在理由とは

 今や労働組合の加入率は18パーセントまで落ちている。筆者は当然の数字ではないかと思う。経営者と同じで、組合幹部は何様になったつもりでいる。この国では、経営者も労組幹部も偉くなりすぎで、末端の人間達を見下ろしているのである。

 これでは、経営も労働組織も、正常に機能するわけがない。筆者は、嫌いな人種と聞かれれば、迷うことなく労働貴族と答えることが多い。今までに、色々な職種や地位の人間と接してきたが、労働貴族が最低の人種であった。

 はっきり言えば、働くものたちの上に立って楽をしているだけなのである。働く者たちのことを真剣に考えている男には今まで会った事がない。自分達は、結構贅沢をしているのが少なくない。昔は、モーターボートや、別荘まで持ったのがいたものだ。

 筆者の接した限りでは、やたら威張りたがる輩が多かった。働くものたちを踏み台にして、自分が成り上がることだけを考えているのが少なくなかった。自分の野心を満たすために、働く者達から物心両面で応援させるのである。

 その昔、日産にSという男が委員長で権勢を振るった時代があった。Sに弱みを握られた経営トップは、彼にひれ伏した。クルーザーを乗り回し、そして、人事にまで口を出した。あの時代から見れば、少しは良くなっているものの、労組を踏み台にして、経営幹部に上り詰める男は相変わらず存在する。

 筆者は、事業を立ち上げる前も撤退してからもサラリーマンも経験したが、労働組合は嫌いで、一度も組合には入らなかった。最近、労組が嫌いな若者が増えているらしい。組織率が18パーセントでは、政治道楽をしている場合ではないはずである。昔の社会党には大出さんのような素晴らしい能力の人もいたが…。

 それにしても、何でこの時期にベースアップの要求なのか? 理解に苦しむ。数年前まで、経団連が胸を張って空前の景気を公言していたときにベースアップを要求しないで、何で今なのか…。

 この国では、政治も、経済界も、労働組織も、訳の分からないことが多すぎる。何か変なのだ。その背景には何があるのか、不思議でならない。労働貴族は、今も昔も変わりがない。

 労働貴族達の考えていることは、自分達個人の幸せなのである。これでは、組織率が18パーセントに落ちるのも致し方ないことだと思う。連合の存在理由とは何ぞや、と問いたい。

 高い組合費を徴収しながら、それに見合った働きをしていない。これでは組織率が18パーセントも致しかたのないことなのだある。筆者は、命がけで権力に立ち向かう労組幹部の出現を夢見ているが、今の日本人では無理のようである。




2009/01/20



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