米軍再編で厚木基地(神奈川県)から米空母艦載機59機が移転する山口県岩国市で23日、計画に反対する集会が開かれた。県内外から約4千人が参加(主催者発表)。会場となった公園で、大粒の雨が降るなか、「怒」と書かれた紙を一斉に頭上に掲げ、「米軍再編を見直す」と約束しながら、艦載機移転計画を従来通り推進している鳩山政権に抗議した。
実行委員会の代表世話人を務める井原勝介・前岩国市長が「地元より米国との関係を優先するやり方は自公政権と同じ。岩国も沖縄も決して納得しない」と主張。この日、普天間飛行場(沖縄県)移設問題で沖縄を訪問した鳩山由紀夫首相を、「住民の声を無視すれば、計画はまた行き詰まるだけだ」と批判した。
与党議員も参加し、社民党の重野安正幹事長は「艦載機移転で岩国基地の機能は飛躍的に拡大する。普天間でも、(現行案への回帰には)地元の合意も、連立を組む政党の合意もない」と首相を批判。地元選出の平岡秀夫衆院議員(民主)も「岩国や沖縄の苦しみを全国に理解してもらわなければいけない。基地縮小へ向かうべきだ」と訴えた。
岩国市で米軍再編計画に反対する大規模集会が行われるのは2007年12月以来。