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【安藤慶太が斬る】NHKこそ「人間動物園」ではないのか (5/5ページ)

2010.5.23 18:05

 ■後講釈による歴史断罪の怖さ

 最後にもう一言。こうした歴史を遡っての断罪が許されるなら、TV自体が将来「人権侵害装置」のごとく不当な断罪を受ける恐れは十二分にあるということだ。人を盛んに見せ物にする、それが「人間動物園」という後講釈が成り立つのであれば、NHKこそ「人間動物園」ではないのか。例えば毎週日曜日に全国各地で行われているのど自慢。司会者が「さあ、次は元気な若手消防団の皆さんです!」。

 「○番、仮面舞踏会!」と始まり、派手なコスチュームとアクションを伴い、途中まで張り切り過ぎた歌を聞かされ、あえなく鐘が「か〜ん」。再び3人が大袈裟にずっこけ、会場がドーっと沸きかえる。「元気な仲良し3人組でしたあ」と淡々とコメントして次へ、といった具合である。

 いい笑いものである。「アジアの一等国」としてこんな痛い映像を見せられる(それでいて結構見ていたりする)のだが、これは「人間動物園」ではないのか?

 もしかして「消防団の皆さんがどう受け止め、感じたかということは、『人間動物園』の事実を左右するものではない」のか。

 ドゥーモ君のかぶり物を着せられた方も実に気の毒なもんである。ノッポさんに至っては長寿番組の最後にわずかに発言が許されるという酷い仕打ちだし、大河ドラマにいたっては殺戮(さつりく)映像のオンパレードになりかねない。

 改めて問うがJAPANデビューの今回の番組は、自分たちで描いたストーリーで歴史を両断するために、言葉を弄びつつ歴史を通り過ぎていった多くの人々の営みや尊厳というものを軽んじ、踏みにじっていないだろうか。こうした冒涜(ぼうとく)が許されるなら、今のNHKだって後世、“不当”な断罪を受けてもおかしくはないということである。それがNHKの矜持に照らして受け容れられる類のものかどうか。よくお考えいただきたいものだし、とりわけパイワン族の方々に自分たちがやっている仕打ちがいかなるものか、ぜひもう一度問い直していただきたいと願っている。(社会部専門職 安藤慶太)

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