日米両政府は22日、沖縄の米軍普天間基地(宜野湾市)の移設先を米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)とする方針で大筋合意した。代替施設の具体的な位置や建設工法は今秋までに詰める。米ヘリ部隊の一部訓練移転など負担軽減策も検討する。「県外移設」を求めてきた沖縄の反発は必至で、日米合意ができても実行に移すのは極めて困難な情勢だ。
岡田克也外相は22日、外務省でルース駐日米大使と会談し普天間問題について協議。これに先立ち鳩山由紀夫首相は外相や北沢俊美防衛相、平野博文官房長官と会い、政府方針を固めた。日米は前日に続き審議官級協議も断続的に開いた。
普天間の移設先を、もともと日米が合意した辺野古に戻さざるを得なくなったのは、鹿児島県徳之島など日本側が提示した代替案がことごとく頓挫したため。継続協議とする建設工法などは、11月に横浜で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するオバマ米大統領の来日前までに決める方向だ。
しかし、代替施設の位置や建設工法で米側は現行計画の大幅修正に極めて慎重だ。最終的には辺野古に埋め立て方式で滑走路をつくる現行案に近い形を受け入れる公算が大きくなっている。
両国間で焦点になっていた在沖縄海兵隊8000人のグアム移転経費の日本側負担(総額約60億ドル)については、2010年度分の執行と、11年度以降の拠出継続を米側に伝達した。日本政府は同経費を09年度予算から計上している。沖縄海兵隊のグアム移転は普天間基地の代替施設の完成が前提。辺野古移設が難航すれば、日本側が負担を渋るのではないかと米側が懸念していた。
日米両政府は28日にも合意内容を盛った共同文書を発表する。これを受け首相が記者会見して国民に理解を求める見通しだ。これに先立ち、首相は23日に沖縄県を再訪問し、仲井真弘多知事らと会談する。
「最低でも県外」「埋め立ては自然への冒涜(ぼうとく)」と発言してきた首相が事実上、現行案での合意を目指す方針に転じたことへの批判が高まるのは確実。地元では日米協議を優先する政府の姿勢にも不満が強い。県外移設を主張してきた社民党の反発も避けられない。
首相が設定した普天間問題の5月末決着に合わせる形で取り交わす日米合意は、協議継続の名分を整える先送り策の色彩が濃い。6月16日の今国会会期末に向けて野党は首相の責任を追及する構え。鳩山内閣の政権運営や7月の参院選にも影響を与えそうだ。
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