辺野古で日米大筋合意、滑走路工法先送り
沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、日米両政府は22日、同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に滑走路を建設する移設案に大筋合意した。滑走路の具体的な建設位置や、工法の決定は今年9月をメドに先送りする。
月末までに外務、防衛担当閣僚(2プラス2)による共同文書として発表する。首相は23日に沖縄県を再訪問し、仲井真弘多知事らと会談し、日米合意の概要を伝えるものと見られるが、沖縄県側は、「県内移設」に反対する見通しだ。
日米合意は、両政府が2006年に合意した現行計画をほぼ踏襲する内容で、現行計画を批判してきた鳩山首相の政治責任が厳しく問われるのは必至だ。日本側は、沖縄県外への基地機能の分散移転を検討することを米側に求め、米側は応じる考えを示した。政府はこうした内容を今週中に2プラス2の共同文書として発表し、28日にも閣議で政府の対処方針として決めることを目指している。
首相は22日、首相公邸に岡田外相や北沢防衛相、平野官房長官ら関係閣僚を呼び協議。その後、外相が外務省でルース駐日米大使と日米両政府の実務者を交えて会談した。
共同文書にはキャンプ・シュワブ沿岸部に滑走路を建設することを明記する一方、沖縄の負担軽減策として基地機能の県外への分散移転を検討する方針を盛り込むことで大筋合意。ただし、詳細な建設位置や工法については明記しない。
政府は滑走路の建設工法を現行計画の「埋め立て方式」に戻す方針。ただ、決定は今年9月頃まで先送りすることにした。合意文書では、基地機能の分散移転の具体的移設先は明記しない方向だ。
(2010年5月23日 読売新聞)