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転落死:「タミフルで異常行動」遺族が提訴へ

 05年2月、インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用後、マンションから転落死した愛知県知立市の中学2年生の遺族が「異常行動はタミフルの副作用によるもの」として、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(東京都)を相手取り、タミフルの服用と死亡の因果関係を認定するよう求める訴えを東京地裁に起こすことが22日、分かった。原告代理人によると、同様にタミフル服用後に突然死した京都府と栃木県の2人の遺族も提訴に向け準備を進めており、今週中に東京都内で記者会見する予定という。

 訴えるのは、知立市の秦野皓平さん(当時14歳)の両親。05年6月に薬害の救済組織である同機構に給付金の支給を申請したが、同機構は服用との因果関係を認めなかった。両親は厚生労働省にも審査を申し立てたが、棄却された。提訴期限は10月末で、それまでに機構の処分取り消しを求める訴訟準備を進める。

 厚労省によると、タミフル服用後の異常行動は09年3月末時点で飛び降りなど計353件。うち死亡は8例、突然死も14例報告されている。10代を中心に異常行動がみられたことから、同省は07年3月、10代への処方を原則中止した。

 同機構によると、タミフル服用後に異常行動を起こして死亡したケースを巡り、遺族からの救済申し立ては15件(今月14日現在)あるが、いずれも服用との因果関係は認められていない。岐阜県下呂市で04年2月、タミフル服用後に自宅を飛び出しトラックにはねられ死亡した男子高校生の遺族が、タミフルの副作用を認めなかった同機構に損害賠償を求めて提訴したが、岐阜地裁は2月、訴えを棄却している。

 皓平さんの母竜子さん(50)は「10代への処方を中止しておきながら、因果関係がはっきりしないというのは納得できない」と話している。【沢田勇】

毎日新聞 2010年5月22日 20時01分

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