ボクシングのWBA世界フライ級王者・亀田大毅(21)=東日本協会=と同級7位・坂田健史(30)=協栄=のタイトル戦が、実現へ向けて大きく進展したことが21日、明らかになった。亀田側と、入札で試合の興行権を得ている協栄側が今週初めに初交渉した。試合とファイトマネー未払い問題について話し合われ、報告を受けたWBA(世界ボクシング協会)は交渉の期限を今月24日から31日まで延長。“敵対”していた両陣営が動き出し、大毅‐坂田の因縁対決が一気に現実味を帯びてきた。
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今週初めに亀田陣営と協栄陣営は、都内で交渉の場を持った。3日に協栄ジムがタイトル戦の入札を落札してから初めてのこと。関係者によると、初回とあって、諸条件などの詳細までは話し合われなかったが、ビッグマッチ実現へ向けて双方、前向きな姿勢で臨んだという。
亀田陣営と協栄陣営は、ファイトマネー未払い問題で現在、民事訴訟で係争中。大毅‐坂田の実現には、この問題の解決が大前提となる。初交渉の場では、ファイトマネー問題に関して和解へ向けての具体的な提案があり、両陣営が大筋で合意のもと、大毅‐坂田の交渉が行われたもようだ。
WBAは当初、規定の24日までに交渉がまとまらなければ、大毅の王座をはく奪する意向を示していた。しかし、タイトル戦実現へ向かって両陣営が交渉していると判断し、交渉期間を延長。期限を1週間延長して31日に設定し、既に両陣営に通達している。
そんな状況で、当事者の両選手では、すでに“合意”に達していた。19日に後楽園ホールで開催された「ボクシングの日」イベントに参加した大毅と坂田は、がっちりと握手を交わした。大毅は「試合が決まったらお互い頑張りましょう」と戦う意思を表明し、坂田も「そうですね」と応え、健闘を誓い合った。
早ければ今夏 これまで敵対関係にあった亀田側と協栄側が和解を視野に交渉の場についたことで、大毅VS坂田は大きく前進した。今後も交渉は続けられ、リミットの31日までには合意に達する見込みだ。試合の開催時期に関しては今後の交渉次第となるが、早ければ今夏にも“因縁対決”が実現する。