4回、スレッジに左中間への同点ソロを浴びたダルビッシュ
「日本ハム1‐4横浜」(21日、札幌ド)
ハッとした表情で振り返った。無情にも左中間スタンドに打球が吸いこまれるのを確認すると、苦笑いを浮かべた。四回1死。昨季まで同僚だったスレッジに同点の11号ソロを浴びた。この瞬間、日本ハム・ダルビッシュの連続イニング無失点記録は「31」で途切れ、東映時代の1954年、米川泰夫がマークした35回の球団記録に届かなかった。
中5日は今季初。それでも状態は良かった。一回1死から4者連続三振など、この日の7つで今季90三振。杉内を抜いてリーグトップに躍り出た。だが、野球は内容や状態が良ければ必ず勝てるものではなかった。味方の度重なる失策が絡み、7回3失点(自責1)で今季3敗目を喫した。
試合後は“一騒動”があった。取材要請を受けていた球団広報が「(ダルビッシュは)通ってませんか?」と報道陣に逆取材し、慌てて捜す異例の事態。取材陣を避けて通常と別ルートで帰ったもようで、コメントは球団から配信された「粘って投げることはできたと思います」だけだった。
この日は米大リーグ・メッツの大慈弥、ラス・ボーブ両スカウトが今季初めて視察。黒星にも大慈弥スカウトは「やっぱりすごい。アンラッキーだったね。とらえられたのはスレッジ(の本塁打)だけ。ずっと見るよ」と高評価と共に密着宣言。「仮定の話はできない」としたが、ポスティングか、最短で14年にダルビッシュが取得できる海外FA権でのメジャー移籍を待ち望んでいるのは明らかだった。
(2010年5月21日)