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【ドラニュース】


ベン14号

2010年5月22日 紙面から

4回表2死一塁、先制の中越え2ランを放つ和田

写真

◆中日3−1西武

 やっぱり和田は西武ドームがよく似合う。その瞬間、痛みを忘れてゆっくりとダイヤモンドを一周した。古巣の後輩・涌井を打ち砕いたリーグトップに並ぶ先制14号2ランは、師匠・落合監督に500勝をプレゼントするアーチとなった。

 「打てる高さにきたので、思いっきり振りました。スライダーが半速球になっていたと思う。いくかどうか、という感触だったけど、入ってくれてよかったですね」

 6試合ぶりとなる一発は4回だ。2死一塁、カウント1ストライク2ボールからの130キロスライダーを振り抜くと、打球はセンターバックスクリーン右横に突き刺さった。西武ドームでは07年9月27日の日本ハム戦以来(当時はグッドウィルドーム)で移籍後初。自身通算236本中88本目という“故郷”でのアーチに「ようやく3年目で打つことができました」と笑顔が弾けた。

 師匠に報いることもできた。打撃フォームを試行錯誤していた開幕前だった。左足をすり足にするか、上げてためて打つか。悩んでいたときに落合監督が「上げた方がいい」と背中を押した。その結果が開幕からの絶好調。西武からFA移籍するとき、中日を選んだ理由の1つが落合監督の存在。実は昨年4月15日の400勝(阪神戦)もアーチで応えている。

 「そういう節目のときにこういう形で打ててよかったです。でもボクは500勝のうちの150勝くらいでしょ(中日入り後は177勝)。本塁打よりも8回のチャンスで打たないといけない」

 反省も忘れなかった背番号5だが、抱えている右脇腹痛は完治していない。毎日、電気治療しながらグラウンドに立ち続けている。「出ている以上は大丈夫ですよ」。対涌井とはこれで通算7打数4安打と先輩の意地を見せたこの日。師匠のため、チームのため、家族のために手負いの和田は打ち続ける。 (兼田康次)

 

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