琴光喜、シロ主張も平幕に黒星…夏場所１２日目

琴光喜（左）は北太樹に押し出しで敗れた

　◆大相撲夏場所１２日目　○北太樹（押し出し）琴光喜●（２０日・両国国技館）　週刊誌で野球賭博疑惑が報じられた大関・琴光喜は平幕の北太樹に完敗。日本相撲協会はこの日も師匠の佐渡ケ嶽親方（元関脇・琴ノ若）ら関係者から事情聴取し２７日の理事会で事実関係を報告することを決めた。

　琴光喜の野球賭博疑惑に関し生活指導部の陸奥部長（元大関・霧島）は２０日、「理事会に報告することになると思う」と２７日に開く理事会で話し合うことを明かした。

　疑惑の余波も表れた。２７日に警視庁の担当者を国技館に招き全年寄、関取らを対象に開催が決まっていた「反社会的勢力排除に伴う講習会」の延期が決定したのだ。担当の陸奥部長によると「こういう報道が出たので延期した方がいいということになりました」と説明。疑惑報道が暴力団の排除へ向けた協会の動きに水を差す結果になった。

木戸番を務める阿武松親方

　一方で協会はこの日も関係者から事情聴取を行った。出羽海事業部長（元関脇・鷲羽山）と陸奥部長が、記事で賭博にかかわったとされた阿武松部屋の若い力士らについて阿武松親方（元関脇・益荒雄）から聴取した。阿武松親方は「何時間も（当人から）話を聞いたが、泣いてやっていませんと言ったので信じたい」と潔白を主張。前日（１９日）に続き事情聴取された佐渡ケ嶽親方も「もう一度、琴光喜から話を聞きましたが絶対にありませんということでした」と繰り返した。協会は、本人への事情聴取を今後検討する。

　渦中の琴光喜はこの日、平幕の北太樹に完敗。疑惑報道が精神面に影響したかにみえたが「相撲には関係ない」と土俵に集中する姿勢を見せていた。