(交流戦、オリックス5−3阪神、2回戦、オリックス2勝、22日、スカイマーク)「何しよるんや!!」。岡田監督がそう心の中で叫んだ打球は左翼席に消えた。
六回二死走者なし。バルディリスがカウント「0−3」から勝ち越しの3号ソロ。古巣・阪神に連勝した岡田監督は、笑みを浮かべて仰天の舞台裏を明かした。
「(次に)代打の日高を出すつもりやったから『(サインは)待て』やったんや」
鶴のシュートを叩いた一撃は、サインの見間違いだった。5月に入ってソフトバンクから荒金と金子圭、広島から長谷川と喜田を獲得。作戦が漏れないよう3週間でチーム内のサインを2度変更した。バルディリスの一発はまさに結果オーライ。試合後、すれ違った助っ人へ「罰金もんや!!」と笑いながら“お小言”を口にした。
「何をするんかと思ったわ。徹底していかな」。実はこの日、もうひとつサインミスがあった。指揮官は顔をしかめたが、それでも白星が舞い込んだ。しかも、昨年阪神を戦力外になった助っ人で古巣に連勝だ。
「2つ勝ててムードもいいし、勢いがつく。こういう形で勝っていくんだと選手もコーチもわかった。そういう意味で大きい」。連勝で借金は4。阪神をたたいて追撃態勢を整えた。(周伝進之亮)