白鵬黄金の左、V14輪島に並ぶ/夏場所
<大相撲夏場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館
横綱白鵬(25=宮城野)が2連覇を果たした。大関琴光喜(34)に押し込まれたが、冷静に組み止めながら左からの小手投げで仕留め、ただ1人の初日から13連勝。2敗以下の力士がいないため、08年名古屋場所以来となる2度目の「13日目V」を決めた。通算14度目の優勝は、尊敬する元横綱輪島と並ぶ歴代6位。ライバル不在の土俵で「心」の充実を図り、白鵬時代は全盛期を迎えた。
1人旅の早すぎるゴールだった。圧倒的な強さを見せながら、白鵬がぶっちぎりで賜杯を勝ち取った。2度目の「13日目V」に、「気持ちいいですね。東京場所での優勝がほしかったので、それが何より」。地方場所以外の優勝は08年秋場所以来。09年は3度も決定戦で涙した国技館で、ようやく声を弾ませた。
「左」で決めた。琴光喜の圧力に押し込まれながら慌てなかった。「焦らないで」と右を差し、左で抱えて組み合う。小手に振って揺さぶり、最後は出てきたタイミングで投げ捨てた。豪快な左下手投げで「黄金の左」と呼ばれた元横綱の輪島大士氏(62)と並ぶ14度目のV。「輪島さんは下手投げで、僕は(左)上手投げ。おれのほうがヘタなんですよ」と、尊敬する同氏をほうふつさせる鋭さだった。
冷静な「心」を目指した。年間86勝した09年は史上初の優勝決定戦3連敗。負けた3番はいずれも気持ちが先走り、上体だけが突っ込んでいた。「体力がある人でも、呼吸が乱れれば力は出ない」。すり足やまた割りから息を吐くリズムに気をつかった。土俵下では腕を組み、へその下に力を込めて長めに呼吸した。日々の鍛錬で、今場所は自分の間合いで立ち続けた。
「技」のテーマは「足」だった。仕切りの際から砂を指でかみ、土俵に「根付く」ことを意識した。力を込め過ぎるため、今場所は取組後に左中足骨の骨間筋を冷やし続けた。5日目には後援会幹部に「4日目に疲れが出た。眠れません」と打ち明けている。1人横綱の重圧を抱えながら「体」のケアも怠らなかった。
これで初場所14日目から30連勝となった。元横綱大鵬に次ぐ歴代2人目の「3度目の30連勝」を達成。「楽しみは(テレビの)暴れん坊将軍かな。朝見て、昼は土俵で仕事して、夜はパパになる。今場所は楽しかった」。06年に初めて優勝した5月21日。白鵬は、わずか4年間で無敵横綱になった。残り2日間。史上6人目となる2場所連続全勝Vへ、まだ止まるわけにいかない。【近間康隆】
[2010年5月22日8時11分 紙面から]
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