陶芸家を目指す内野鉄郎さん(26)が今春、飯塚市勢田の風の丘に工房蒼林窯を設け、初の作品展「はつかまひらき」を開いている。
内野さんは、木工家の父筑豊(ゆたか)さんの影響で工芸の道を志し、田川市の高等技術専門校で陶芸を学んだ。その後は風の丘にある父の作業場の一角を借りて土やうわぐすりの勉強を続け、24歳から北九州市八幡東区の九州民芸村で陶芸教室を開いていたが、昨年11月に閉村したのを機に独立を決意し、4月に工房を完成させた。
工房には、黄色や緑、青などの色鮮やかなカップや、渦巻きの模様の入った皿など、個性的な食器約500点が並ぶ。革の靴やかばんをモチーフにした一輪挿しや、豚の形をした香炉など遊び心のある作品も飾る。
内野さんは「独自のうわぐすりを使って、他ではあまり見られない渋い灰色をした皿やカップもつくった。これからも常に新しい作品に挑戦していきたい」と意気込んでいる。
展示は24日まで。蒼林窯=090(2096)8560。
=2010/05/23付 西日本新聞朝刊=