ビオトープ(動植物の生息空間)として、日本最大の広さを誇る若松区響灘地区の「響灘ビオトープ」(約48ヘクタール)が22日仮オープンした。現地見学会が初めて開かれ、参加した市民22人が、500種以上の動植物が息づく草原や湿地を見て回り、自然を満喫した。
響灘ビオトープは、産業廃棄物処理場跡地が20年以上放置された後、自然発生した“命の楽園”。環境省が指定する絶滅危惧(きぐ)種、留鳥チュウヒの繁殖地の日本最南限として認められるなど、希少な動植物がすみつく。
この日の式典で、北橋健治市長は「正式オープン(2012年春)が待ち切れない。ぜひ環境首都のスポットに」と強調。見学会では、地元の市民ガイド岩本光徳さん(63)が「ここで生息するメダカの卵は鳥が運んできた」などと丁寧に説明。参加した親子連れなどは、アオモンイトトンボやカルガモ、キジなど生き物の姿を見るたびに歓声を上げていた。
=2010/05/23付 西日本新聞朝刊=