12月13日放送 「四国R―14」 第3夜
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藤村 | 2000.12/14(THU) 13:58
怖かったですか?
音効の工藤という男。彼は、夜な夜なひとりで、私の編集したテープを繰り返し見ながら、BGMや効果音を入れるという、とっても重要な、しかし孤独な作業をしている男です。
彼は、出社してくると、昨夜自分に起きたいろんな出来事を我々に報告してくれます。
「おい!藤やん、きのうの夜、電源がいきなり切れたぞ!」
「停電したのか?」
「なに言ってんのよ!そんなのんきな話じゃないんだって!一か所だけ切れたんだっての。ちょっと来なさいって。」
やけに興奮気味に、彼は、我々を孤独な仕事場へと引っ張って行きました。
「ほら、ここの電源・・・こんな電源、絶対誰も触らないんだって!」
見ると、確かに目立たない低い位置に、その電源はありました。
「まぁねぇ・・・でも、あんた何かの拍子に、足が当たったんじゃないの?」
「当たんねぇって!どんな姿勢で、おれ仕事してんのよ。こんなに足伸びねぇって。絶対誰かが、手で切ったんだって!」
すると、そばで見ていた鈴木カメラマンが、いきなりそこらへんのケーブルコードをムチのようにしならせて、ぶるんぶるん振りだしました。
「おい!なにやってんだよ!おい!」
かまわず、コードを電源スイッチめがけて、びしびし振りおろす鈴木カメラマン。
バチッ!スイッチに命中。
「ほら、切れた。」
「ばか言え!おれが夜中にひとりでコード振り回してて、スイッチに当たったってか!」
「でも、手使わなくても電源が切れるって証明されたでしょ。」
「なんの解決になんのよ!」
・・・結局原因はわからず終い。
さらに数日後。
「おい!藤やん!」
「なによ。」
「やばいって!おれもう仕事できねぇって!」
「なにがよ。」
「きのうの夜さぁ、CDもなんもかけてないのに、針がビンビン振れたのさ・・・。」
「あの、音量の針か?」
「そうだぞ。なんもかけてないのに振れるか?」
「夜遅くまでやってっから、寝ぼけてたんじゃないの?」
「おっ、信用しねぇってか。」
「見まちがいだって。」
「でも、今回は証人もいるぞ。」
「おや。」
「たまたま通りかかった人がいたから、ほらおかしいでしょ?って話したもん。」
「誰よ。」
「え?・・・・・・誰だっけか・・・おっと?・・・誰だっけかな・・・」
「人間だった?」
「やめろって!・・・でも、誰だっけか・・・」
さらに、数日。
「おい・・・藤やん。」
「おっ、また何かあった?」
「CDの電源が、いきなり切れた。」
「おぉ〜。」
「もうダメだ。」
「そうだな。」
「・・・。」
「工藤ちゃん。」
「ん・・・?なによ・・・」
「完ペキ、憑いたね。」
「・・・。」
だが、数日後。
「おい!藤やん!」
「どうした?」
「ついてるぞ!おれ!」
「そうだね。」
「いやぁ惜しかった!きのうのナンバーズ、ひとケタ違いだった!あとひとつ数字当たってたら、2400万だぞ!いやぁ、なまらついてる、オレ。」
さて、そんなつきまくりの工藤ちゃんが、いつもの調子で言っていたのが・・・
「おい!藤やん!恐えぇって。3週目は、これ恐いんじゃないの?」
「そうかい?」
「これは、あれだな、8.2・・・」
「なにが?」
「視聴率。」
「おい!下がるってか!」
「そりゃ下がるよ。途中でチャンネル変えるもの。」
「なにぃ!それ、一番恐いじゃないの。」
で、昨夜。その3週目・・・。恐いことが起こりました。
「下がってる・・・9.2%・・・」
う〜む。恐るべし・・・音効・工藤。またしても、数字ひとつ違い・・・。
いや、そんなことどうでもいい・・・下がるってか・・・。
というわけで、第3夜。「転」の巻。
テープに記録されてしまった、見たこともない風景・・・。
札幌へ戻る機内。大沼の無気味な笑い。
編集室。藤木に蘇る遠い記憶。
上島の目に映った大沼の変貌。
夢か現実か・・・。
大沼がおかしくなったのか?
それとも、上島がおかしいのか?
藤木は真実をつかみ始めているのか?
そして「あの風景」は、全ての謎を解明する手がかりなのだろうか?
藤木は言う。
「おれ、結末が見たいんだよ。おれたちがどうなって行くのか。その結末が見たいんだよ・・・。」
12月20日、世紀末の次週。その「結末」が、やってくる。
いやぁ、盛り上げますなぁ。見ていただきたいですなぁ。
予告編。走りつづける上島。そこにかぶる大沼の言葉「どこだか、わかるかい・・・」藤木の言葉「おれ、思い出したよ・・・」そして上島は、藤木の名を呼び、編集室に飛び込む・・・そこで彼は・・・なにを見たのだろうか。
いやぁ、見たくなると思うけどなぁ。
しかし!毎週視聴者を減らしていく「四国R―14」。サバイバルを勝ち残った者だけが、最後のエンディングを聞くことになるわけです。いったい、何人の方が、勝ち残るのでしょうか?こっちとしては、なんぼでも敗者復活してほしいので、この際、声を大にして言っておきます。
「最終夜、全然恐くありません!オバケのQ太郎より恐くないです。」
もうこうなったらなんぼでも平気でうそをつきます。
「最後は爆笑です。当たり前だろう!どうでしょうなんだから。恐いわけないでしょう。大丈夫だって、笑わせるから!頼む!見てくれ!」