警視庁が、知人から金を脅し取ろうとした暴力行為の疑いで、暴力団関係者を18日逮捕したところ、3年の時効がすでに成立していたことがわかりました。警視庁は、時効の成立に気づかず誤って逮捕したとして、暴力団関係者の男性を釈放し、謝罪しました。
暴力団関係者を誤って逮捕したのは、警視庁の立川警察署です。警視庁によりますと、立川警察署はことし3月、暴力団関係者の知人の男性から「4年前の6月、金を脅し取られそうになった」という被害届を受けて捜査していましたが、容疑が固まったとして、山梨県富士吉田市に住む30代の暴力団関係者の男性を18日、暴力行為の疑いで逮捕しました。しかし、19日に男性の身柄を東京地方検察庁立川支部に送ったところ、検察官が、去年6月に3年の時効がすでに成立していたことに気づいたということです。警察署では、逮捕状を請求する際に署長や捜査を担当した課長が書類を点検していましたが、時効の成立に気づかず、逮捕状を出した簡易裁判所の裁判官も見落としたということです。立川警察署は、誤った逮捕だったとして一日余りたった19日午後、男性を釈放し、謝罪したということです。警視庁組織犯罪対策総務課の飯利雄彦課長は「都民や国民の信頼を失いかねない事態で、おわびするとともに、再発防止に取り組みます」と話しています。