2010年3月26日 2時30分
政府は25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として(1)米軍キャンプ・シュワブ陸上部(同県名護市)に500メートル級滑走路を建設(2)米軍ホワイトビーチ(同県うるま市)沖合に人工島を建設--の2案に絞り、訓練や基地機能の一部を徳之島(鹿児島県)など県外に移転する案と組み合わせる方向で米側、沖縄県など関係自治体との調整に入る方針を固めた。岡田克也外相は28日から訪米を予定しており、ゲーツ国防長官らに検討状況を説明したい考え。26日にルース駐日米大使と会談する。
平野博文官房長官は25日、社民党の阿部知子政審会長、国民新党の下地幹郎国対委員長と会い、3月末までに政府案をまとめる方針を説明したが、海上を埋め立てるホワイトビーチ沖合案には両党が反発。防衛省と国民新党を中心に、暫定的にシュワブ陸上部に移設したうえで将来的にホワイトビーチ沖合かグアム移設を目指す2段階案も浮上している。
関係自治体は強く反発。沖縄県の仲井真弘多知事は25日、那覇市を訪れた北沢俊美防衛相と会談後、記者団に「シュワブ陸上案であれホワイトビーチ沖合案であれ難しいと伝えた」と語った。県外の移転先に挙がった鹿児島県の伊藤祐一郎知事と徳之島など関係市町の首長らも平野氏に反対を申し入れた。
防衛省幹部は「5割以上を県外に移せるかがポイントだ」と県外移転の拡大で沖縄の理解を求めていく考えを示したが、一体運用を重視する米側が反発しそうだ。【西田進一郎、仙石恭】