2010年3月24日 12時19分 更新:3月24日 13時2分
鳩山政権が初めて編成した10年度予算案が24日午後、参院予算委員会で民主、社民、国民新の与党3党の賛成多数で可決された。同日夕の参院本会議で、ガソリンの暫定税率の水準維持やたばこ税引き上げを盛り込んだ税制改正法案など関連法案とともに可決され、成立する見通し。当初予算の3月24日成立は戦後5番目の早さ。政府・与党は子ども手当法案と高校無償化法案も月内に成立させる方針で、民主党が衆院選マニフェストで公約した目玉政策が新年度から実施に移される。【鈴木直、横田愛】
10年度予算案の一般会計総額は過去最大の92兆2992億円。景気低迷による税収の落ち込みもあって新規国債の発行額は過去最大の44兆3030億円に上る一方、公共事業費は5兆7731億円で過去最大の18.3%減となった。鳩山由紀夫首相は24日午前、参院予算委の締めくくり質疑で「(6月に策定予定の)新成長戦略によって雇用が生まれ、経済成長を促してまた雇用を生む好循環を作り上げることでデフレ解消につながる」と述べ、デフレ解消に取り組む姿勢を強調した。
10年度予算成立後は夏の参院選へ向けた与野党の攻防が本格化する。政府・与党は子ども手当の支給など「政権交代の成果」をアピールし、内閣支持率の下落に歯止めをかけたい考え。後半国会(会期末6月16日)では、国家戦略室を「局」に格上げする政治主導確立法案や、省庁の幹部人事を内閣に一元化する国家公務員法改正案などの成立を急ぐ。
特に鳩山首相が政権浮揚の期待をかけるのが、4月に始まる天下り法人などを対象とした「事業仕分け第2弾」。一方、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題は決着期限が5月末に迫り、かじ取り次第で政権が大きく揺らぐ可能性もある。
北海道教職員組合(北教組)の違法献金事件など相次ぐ「政治とカネ」問題も民主党の参院選戦略に影を落とす。企業・団体献金禁止などを検討する与野党協議機関の議論が焦点となる。