北九州市に本拠を置く指定暴力団工藤会への対策をめぐり、福岡県の麻生渡知事と同県警の田中法昌本部長、同市の北橋健治市長、地元経済界代表は22日、同市内でトップ会議を開いた。工藤会の壊滅へ4者が連携してあらゆる対策を講じることで一致。県暴力団排除条例を厳格に運用し、徹底した「資金源封じ」を進めることを柱とした共同声明を発表した。
行政、警察、経済界のトップが単独の暴力団組織への対応を協議するのは異例。
資金源対策は、県や市が公共事業からの暴力団関係企業の排除を徹底。地元経済界も倫理規範を整備して暴力団への利益供与の根絶を進める。
声明では、このほか(1)青少年への暴力団排除教育を推進し、青少年が暴力団に加入しないようにする(2)暴排に取り組む住民や事業者の安全確保を徹底し、暴力団に対する住民の訴訟は費用を県が支援する(3)北九州市小倉南区に設置された新事務所の撤去運動を全面支援する‐などとした。
記者会見した麻生知事は「工藤会は他の暴力団と比べ市民への攻撃性が強く、凶暴な団体。企業誘致にも悪影響を及ぼしており、何としても排除しなければならない」と強調。対策の中では、特に資金源の根絶と青少年教育に力点を置き、トップ会議も今後継続して開催する考えを示した。
=2010/05/23付 西日本新聞朝刊=