2010年3月24日 10時56分 更新:3月24日 13時5分
亀井静香金融・郵政担当相は24日、郵政改革の概要を正式発表した。ゆうちょ銀行への預け入れ限度額を現行の1000万円から2000万円、かんぽ生命の保険金限度額を現行の1300万円から2500万円へと大幅に引き上げることなどが柱。
政府は経営形態の見直しなどを含む郵政改革法案を今国会に提出し、会期中の成立を目指す。施行は来年10月以降になる見通し。貯金、保険の限度額の引き上げは法案成立に合わせて政令を改正し、早ければ6月から実施する。
亀井担当相は、郵便のほか貯金、保険にも新たに全国一律サービスを義務づけるため、「国や地域の期待を果たすには政府の関与はどうしても必要」と政府出資の必要性を強調した。しかし、グループの株式公開時期については「組織を改革し、事業を展開していく中で考えていけばいい」と明言しなかった。
日本郵政グループは現在の5社体制から、持ち株会社と郵便事業会社、郵便局会社を統合した親会社と、その傘下に置く金融2社の3社体制に再編。政府から親会社、親会社から金融2社への出資比率はどちらも3分の1超にする。現行の郵政民営化法では、金融2社の全株式は将来売却されることになっていたが、新たな法案では金融2社に間接的な政府出資が残ることになる。「暗黙の政府保証」が付く中での事業拡大には、金融業界から反対の声が強まることは必至だ。【望月麻紀】
▽ゆうちょ銀行への預け入れ上限額を2000万円(現行1000万円)、かんぽ生命の保険金上限を2500万円(同1300万円)に引き上げ
▽日本郵政グループは5社体制から3社体制に再編。郵便事業会社、郵便局会社は持ち株会社と統合し親会社を新設
▽親会社への政府出資比率は3分の1超
▽金融2社への親会社の出資比率は3分の1超
▽非正規社員10万人を正社員化