口てい疫の感染が広がっている宮崎県で、感染から守りたいとして離れたところに移していた特産の「宮崎牛」の種牛6頭のうちの1頭に感染の疑いがあることがわかりました。農林水産省では、この1頭を処分する方向で検討しています。
口てい疫の感染が拡大している宮崎県では、当初、特産の「宮崎牛」の繁殖に使う種牛55頭すべてを高鍋町にある県家畜改良事業団で飼育していました。しかし、周辺の農場で感染の疑いがある牛がみつかったことから、今月13日、種牛の中でも特に価値の高い6頭だけは感染から守りたいとして特別に20キロ離れたところに移して飼育していました。関係者によりますと、動物衛生研究所が6頭の検査をしたところ、このうちの1頭が口てい疫に感染した疑いがあることがわかりました。この1頭には、口てい疫の症状は出ていないということですが、2回に渡る検査でいずれも陽性だったことから、農林水産省は、この1頭を処分する方向で検討しています。また、ほかの5頭については、貴重な種牛だけに、すぐに処分するかどうか宮崎県と協議することにしています。宮崎牛の種牛は55頭いますが、この6頭以外は感染の疑いがあるとして、すでに処分することが決まっています。子牛は、宮崎県だけでなく各地に出荷され、宮崎牛をはじめ、松阪牛や佐賀牛といったブランド牛に育てられているため、6頭が処分されると、全国の畜産にとって大きな影響を与えることになります。