金沢大病院のインフォームド・コンセント(IC、十分な説明に基づく同意)を巡る損害賠償請求訴訟で、うその証言をしたなどとして、産婦人科長の教授を偽証などの疑いで告発した同科の打出喜義医師(57)が21日、金沢地検の不起訴処分は不当として、金沢検察審査会に申し立てた。打出医師は「市民感覚の判断に期待したい。うそのない医療現場に」と語った。
訴訟は、同病院で治療を受け98年に死亡した県内の女性(当時51歳)の遺族が、ICなしに抗がん剤治療の臨床試験をしたとして、国を相手に損害賠償を求める訴訟を金沢地裁に起こし、1・2審とも遺族側が勝訴。06年4月に最高裁で確定した。
打出医師は06年、教授が「臨床試験の対象でない」とする偽造の証拠書類を提出したなどとして告発。07年2月、容疑不十分で不起訴となっていた。【宮本翔平】
毎日新聞 2010年5月22日 地方版