千葉県八街(やちまた)市の農業、中村行夫さん(76)が刺殺され、自宅が放火された事件で、中村さん宅から現金が奪われた形跡がある一方、500万円以上の現金が残されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。県警佐倉署捜査本部は、強盗殺人と現住建造物等放火容疑で逮捕状を取った市内の土木作業員の男(47)と長女が家の中を物色中に中村さんに発見され、殺害に及んだ可能性もあるとみて午後にも逮捕して調べる。
捜査関係者によると男は中村さんの孫娘(16)の知人で、八街市の市立中学校の窓ガラスを昨年6月に割ったとして器物損壊容疑で逮捕された。孫娘は先月、この男から交際を強要されているとして佐倉署にストーカー被害を相談していた。孫娘は男の長女とも交友関係があったという。
関係者によると、男は数カ月前から仕事が減り、家賃を滞納したり借金を繰り返したり困窮していた。捜査本部は、男が中村さんの孫娘とトラブルを抱える一方、経済的に困り、金品を奪う目的で中村さん宅に押し入ったとみている。【中川聡子、駒木智一、黒川晋史】
毎日新聞 2010年5月22日 15時00分(最終更新 5月22日 15時00分)