八街放火殺人:犯人、現場に数時間とどまり食事の形跡

2010年5月19日 2時30分 更新:5月19日 2時30分

事件があった中村さん宅の間取り(1階)
事件があった中村さん宅の間取り(1階)

 千葉県八街市の農業、中村行夫さん(76)が殺害され、自宅が放火された事件で、犯人は中村さんを殺害後も現場に数時間とどまり、室内を物色したり食事をした形跡があることが捜査関係者への取材で分かった。当時、中村さんの家族は全員外出中で、県警佐倉署捜査本部は一家の事情を知る人物が事件に関与した可能性もあるとみて捜査している。事件は18日で発生1週間を迎えた。【中川聡子、駒木智一、黒川晋史】

 捜査本部によると、中村さん方は11日午後2時半ごろ出火、木造2階建て約130平方メートルを全焼し、焼け跡の1階6畳間から背中に刺し傷のある中村さんの遺体が見つかった。

 司法解剖の結果、朝食とみられる胃の内容物は食後約4時間が経過しており、同日昼前から昼ごろまでに殺害された可能性が高い。中村さんは長男と孫娘2人と同居していたが、当時は中村さん以外は外出していた。

 捜査関係者によると、1階台所付近が荒らされていたうえ、中村さんの家族以外の人物が食事を取った形跡が残されていた。

 このため、犯人は中村さんを殺害してから現場に放火した午後2時半ごろまでの間、室内を物色するなどしていた可能性がある。放火後は中村さんの軽乗用車で逃走したとみられ、車は16日、現場から南に約11キロ離れた千葉市緑区土気町で発見された。

 一方、佐倉署は火災翌日の12日、昨年6月に八街市内の中学校の窓ガラスを割ったとして、中村さんの孫娘(16)の知人で市内に住む土木作業員の男(47)を器物損壊容疑で逮捕した。

 孫娘は同署にこの男によるストーカー被害の相談をしており、捜査本部は中村さんの事件についても何らかの事情を知らないか、慎重に調べている。

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