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【岐阜】

おもちゃで解く数学 岐阜大・数理デザイン工学科 

2010年5月22日

Xジャイロ(中央右)の飛ぶ様子を観察する大学生=岐阜市柳戸の岐阜大で

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 おもちゃの動き方を科学的に解析するユニークな授業が、岐阜市の岐阜大工学部数理デザイン工学科で開かれている。今年のおもちゃは、回転を与えて投げると紙飛行機のように安定して遠くまで飛ぶ「Xジャイロ」。学生は飛行実験を重ねて、回転や速度と飛距離の関係を探っている。

 授業は同学科の名物授業で、3年生全員が受ける「現象の数理モデル」。机上の学問だけでなく、現実の問題に取り組む力をつけようと始まり、昨年まではドミノ倒しやバネを対象に、性質を数学で説明しようと挑戦した。

 Xジャイロは米国で開発された比較的新しいおもちゃ。太くて短い円筒形で、野球のボールほどの大きさ。円筒の穴を進行方向に向けジャイロ回転と呼ばれる「ねじ巻き」のような回転を与えて投げる。重力の影響をあまり感じさせない飛び方で、180メートル飛んだ記録もあるという。

 学生に与えられた課題は、飛距離と円筒の直径と胴の長さの比の関係などを夏までに数式で表現し、飛距離を予測するモデルを示すこと。指導する藤井文夫教授は「社会に出たらまだ解き方のない問題ばかり。目新しい問題に積極的に挑戦させたい」と狙いを話す。

 飛行実験では、発射器具を使って飛ばしたXジャイロを1秒に200コマの撮影ができる高速度カメラで撮影。映像から速度を割り出すという。授業に参加する古沢賢さん(22)は「回転は空気を切り裂く効果があるのかな。考えにつまずくこともありますが、面白いです」と話していた。

 (横山大輔)

 

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