21日の事業仕分けで、宝くじを発売する都道府県などを代表し、宝くじ関連法人側の説明者として出席した総務省OBの伊藤祐一郎鹿児島県知事が、米軍普天間飛行場移設問題に関連し「全国知事会議で総理から地方公共団体にお願いがあるように聞いている。そういう状況の中で、(地方財源にもなっている宝くじが)一方的に仕分けの対象になるというのは、いささか地域主権国家の在り方としてはおかしい」と述べる一幕があった。
鳩山由紀夫首相は27日の知事会議で、普天間問題に関して全国の知事に、同県・徳之島を含む沖縄県外への基地負担の分担を求める考え。伊藤知事の発言は、基地問題に絡め仕分けで手心を加えるよう迫ったとも受け取れ、波紋を呼びそうだ。
伊藤知事は総務省時代、宝くじ関連の3公益法人を所管する地方債課長を務め、この日は原口一博総務相が出席を要請したという。
問題の発言は宝くじの歴史的経緯などを自ら紹介した後に飛び出した。その後も官僚の天下りや高額報酬などの指摘について「金額が高いとおっしゃるのはいささか行き過ぎ」などと法人擁護の発言を連発。一般傍聴席から「ばかにするな、国民を」とヤジが飛ぶなど会場には不穏な空気も漂った。
=2010/05/22付 西日本新聞朝刊=