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演じていた指揮官役から本物の指揮官へ

2010年05月21日
スポーツ

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【岡田STYLE!(5)】1998年フランスW杯時の岡田武史監督(53)は、指揮官という役割を「演じて」いた。少なくとも当時の代表スタッフは、そう感じていたという。

 岡田監督は当時41歳。97年のW杯アジア最終予選中に加茂周監督が更迭され、急きょコーチから昇格した岡田監督は翌日から監督として振る舞いだした。

「岡田さんの中に“監督とはこういうもの”というイメージがあって、それを忠実にこなしている感じは否めなかった。選手を怒鳴る姿も何か演じているようで、監督としての威厳を見せつけようというものだった」と代表スタッフは明かした。

 それまで親密に話していたチームスタッフとも距離を置いた。そして、新たに選出されたコーチ陣にチーム情報を集約させた。チームドクターやトレーナーなどからの報告もコーチ陣経由であり、最終的には文書での報告を求めるようになった。

「監督として手段にもこだわっていたし、無理をして監督になっていた。カズ(三浦知良)をメンバーから外したのも“指揮官はいつも非情でなければならない”という固定観念があったのかもしれない。そんな話をしたわけではないが、常に自らが考える理想の監督を演じていたように見えた」(前出スタッフ)

 あれから12年。岡田監督は本物の「指揮官」になったように見える。「フランスの時は監督になろうとしていたようだけど、その後、札幌や横浜Mで監督を経験したことで、本物の監督になったのではないか。もう演じる必要もなくなったはず。少なくとも言動から感じる」(同スタッフ)

 10日の南アフリカW杯メンバー発表で岡田監督は「前回(98年フランス大会)のリベンジを望んでいるわけではない。日本が世界と戦うのが常識となった中、勇気を持ってチャレンジしたい」と淡々と語った。そこには12年前のような力みはないように見える。

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