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学生衛星も金星へ 東北大、探査機の最初の電波キャッチ

小型衛星からの電波受信に成功し、データを確認する東北大大学院の学生ら=21日午後6時40分ごろ、仙台市青葉区の東北大青葉山キャンパス

 金星の大気の謎を解明する探査機「あかつき」を載せたH2Aロケットが打ち上げられた21日、東北大や秋田大などが開発にかかわった小型衛星「UNITEC(ユニテック)1」も宇宙に飛び立った。相乗りした5個の小型衛星の一つ。東北大では午後4時40分ごろ、衛星から最初の電波をキャッチし、無事の飛行を確認した関係者は胸をなで下ろした。

 ユニテック1は愛称「しんえん」。宇宙工学研究に携わる大学や高専などでつくる「大学宇宙工学コンソーシアム」に所属する22の大学・高専が開発した。
 「しんえん」は一辺が約40センチの立方体に近い形状で、重さは21.3キロ。あかつきとほぼ同じコースで放射線や熱環境の厳しい金星の軌道を目指す。大学が開発した衛星として初めて、月より遠い軌道に入る予定。
 内部には東北大など6大学がそれぞれ自作した機器6機を搭載。今後の開発に生かす基礎データになるようにコンピューター機器の性能や耐用性を実験で競う。遠い軌道からの弱い電波を地上で受信できるかどうかも試みる。
 東北大の機器は、大学院工学研究科航空宇宙工学専攻の学生6人が製作。衛星の位置情報を示すデータの送信システムや星の位置を判断するシステムなどを組み込んだ。
 メンバーは21日、青葉山キャンパス(仙台市青葉区)に設置した直径2.4メートルのアンテナで、衛星からの電波の受信に挑んだ。
 衛星は短時間(2分)か長時間(30〜40分)の電波を約1時間に1回放出する。メンバーは午後4時40分ごろ、約18万キロ離れた場所からの電波を数秒だけ確認。約2時間後、再び無線機から音が聞こえると、一斉に「きたっ」と声を上げ、画像データに見入った。
 製作者の一人、修士2年の米山明里さん(25)は「2回目は2、3分ほどきちんと音が取れたのでほっとした。(遠くなるほど電波は弱くなるが)できるだけ、大学で記録を残したい」と話した。


2010年05月22日土曜日

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