福岡県鞍手町の公金約1億5千万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元町職員梶原康幸被告(51)=同県直方市頓野=の判決公判が28日、福岡地裁直方支部であった。西森英司裁判官は「被害額が甚大で、公務員の信用も著しく損なわせた」として懲役6年(求刑懲役8年)を言い渡した。
判決理由で西森裁判官は、被告が会計担当に就いた翌年の1996年から横領を始めたと指摘。「町の管理体制に不十分な点があったとはいえ、隠ぺい工作をしながら犯行を続けた。ギャンブルに使うなど動機も悪質」と述べた。
判決によると、梶原被告は会計係長だった2003年5月-04年9月、町の定額郵便貯金口座を計5回解約し、約1億5千万円を横領した。
柴田好輝町長は西日本新聞の取材に対し「町民に多大なご迷惑を掛けた。二度と不祥事を起こさないよう最善を尽くしていきたい」と語った。
=2010/04/29付 西日本新聞朝刊=