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【ドラニュース】


高橋、好調の秘密は?

2010年5月21日 紙面から

球場入りする高橋=西武ドームで(小嶋明彦撮影)

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 好調な竜戦士をターゲットにして、その秘密などを直撃するインタビュー企画「旬撃」。今年の第1弾はセットアッパーとして活躍している高橋聡文投手(26)だ。今季はここまで23試合で4勝1敗12ホールド、防御率0.75。不動のセットアッパーとしての地位を築き上げているが、その秘密、ブルペンの雰囲気、今後の抱負などを聞いた。 (聞き手・兼田康次)

 −ここまでの自己評価は?

 「よくできているとは思いますね。満足しています。いままでは」

 −今年は思わぬ形でつまずいた。自主トレ中の1月30日に清水昭と接触してぎっくり腰。キャンプは満足に過ごせなかった

 「そうですね。あのときは歩くこともできなかった。まあ、やってしまったのは仕方ないなって。でも意外に長くて…。投げ始めても腰をかばいながら投げていたから、いいボールがいかない。投げ方が分からなくなったというか、思ったボールがいかなかった。キャンプ中の投げ込みもできなかったですね」

 −不安を持って開幕を迎えた

 「それはなかったですね。自分の理想は去年の後半のピッチングなんですけど、オープン戦で近藤さん(投手コーチ)とか三輪さん(ブルペン捕手)に去年との違いを聞いて、理想(の投球フォーム)に近づけるようになったんです」

 −開幕後は故障の影響はなかった?

 「ないことはないです。シーズンに入ってから指にマメができたんです。普段はキャンプ中にできてシーズン中はできない。それが1回、試合中にマメができた。確かナゴヤドームの阪神戦だったと思います(4月2日)。マメができて次のイニングはマメができながら何とか抑えた。その試合後に、マメをつぶして血を抜いて翌日は出番がなかった。巡り合わせもよかったと思います」

 −逆にケガの功名みたいなことは?

 「実は1月の自主トレ期間中、肩に違和感があったんです。前の年からの蓄積でしたね。でも腰を痛めて投げなかったことで、肩を休められた。そういう意味でよかったのかもしれません」

 −アクシデントを乗り越えて好調をキープしているけど、数年前は落合監督が「高橋の旬は短い」と。今はその旬が長い

 「まだ分からないですよ。1カ月半しかたっていない。でも昔は若かったと思います。いまはすごい体のケアをしているんですよ。試合が終わった後に、電気治療をしてもらっている。すごい手入れしていますね」

 −それはいつから

 「今年は特に。シーズンの最初からやっていますね。タク(浅尾)の影響が強いですね。あいつは投げた後に必ず手入れしている。それを見て、自分もそうしようかなって。やっぱり次の日の疲れが違います。まあ、若いころは疲れていても、そのまま放っておいたことがありましたからね。今年は(調子が)メチャクチャいいという試合は少ないけど、きょうはダメだなという日も少ない。それは手入れしているからだと思います」

 −何か気分転換をしていることは?

 「実はいま(漫画の)『ワンピース』にはまっているんです。それをタクとコバさん(小林正)と壮馬(山内)、平井さんとかと話すのが楽しいですね。結構奥が深いんですよ。コバさんが好きで、読んでみようかと思って読んだらおもしろかった。練習中とかに話しています。いま50巻以上出ているんですけど、一気に買って読みました。この前、広島遠征のときに広島駅で10冊くらい買って、読みながら帰ってきた。その後は試合後にイオン(ナゴヤドーム前ショッピングセンター)に行ってまとめ買い」

 −結構ファンに注目されたのでは

 「意外にばれないですね。吉見と一緒に行ったときはばれましたけどね。ボク単独だけだとばれない。イオンの本屋さんで買っています」

 −高橋に限らず、今年のリリーフ陣は好成績を残しているけど、ブルペンの雰囲気は?

 「ブルペンの雰囲気ですか? 変わったっスね。本当に変わりました。ダメな方に(笑)。ダメな方というか、明るくなりました。どっちがいいのか分からないけど、ボクはいまが好き。ボクが入ったころだと、いまの雰囲気は(先輩たちに)怒られる。緊張感がないことはないけど、モニターを見ながら、みんなでしゃべっています。ボクが入ったころはしゃべる人もいなかったし、そんな雰囲気じゃなかった」

 −どんな雰囲気?

 「例えばウチの攻撃でチャンスになる。3ボールになって四球がほしいとき、タクに『四球がほしい』ってボクがいうとタクが祈り出すんです。いろんなポーズで。『任してください』って」

 −ほかには?

 「(モニターを見ながら)この打者はどうだとか、みんなで野球の話をものすごくしますよ。すごく語り合ったりもしています。次はこれを投げろとか。これならヤバイとか。この球種がいいとか。お互いに参考になることはあると思います。その中できっちりオンとオフの切り替えはできていると思いますね」

 −これからも高橋、浅尾、岩瀬の3人で勝ち試合を支えていくことになるが、今後の目標は?

 「今年は失敗をいかに減らすか、というのを自分の中ですごく意識しています。満塁にしても0点で帰ってくればいい。点を取られても勝ったままつなげればいい、とか。とにかく失敗を減らしたい。タクや岩瀬さんにしっかりつないでいきたいと思っています。最後まで状態をキープして、今年こそ優勝したいですね」

 

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