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ニセ医師事件 大阪でもウソばかり…

2010年05月13日

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一宮輝美容疑者の住む大阪市のマンション。オートロックで築年数も浅い=大阪市天王寺区

 県立宮古病院に対し、無免許でありながら「医師」を名乗ったとして、医師法違反の疑いで逮捕、送検された大阪市天王寺区の無職一宮輝美容疑者(44)。地元でも、親しい人に「自分は医師だ」と話していた。

    ◇

 一宮容疑者が住んでいるのは、大阪市天王寺区の分譲マンション。12階建てのオートロックで、築3年ほどとまだ新しい。一宮容疑者の知人によると、角部屋で、間取りは30平方メートル前後の1ルームだという。

 同じマンションに住む女性は「気軽に話しかけてくる、よくしゃべる人」と話した。黒縁メガネをかけておかっぱ頭。ピンクなどの服を好み、ミニスカートにハイソックス姿が多かったという。自宅で柴犬(しばいぬ)を飼っており、犬の話をよくしていたという。

 この女性には、「左手が不自由で仕事ができないから生活保護を受けている」と話していたという。

 県警の捜査関係者によると、調べに対しても、一宮容疑者は「生活保護を受けている」と供述しているという。

 一方で、近所に住む知人の男性には「大阪の病院で非常勤医をしている。貯金も何億かある」などと話し、「いい医者を紹介してあげる」とも語ったという。

 また、実在する医師を「私の夫だ」と周囲には言っていたが、その医師が勤務する病院に取材すると、「医師が一宮容疑者と結婚していた事実はない」と否定した。

 県立宮古病院によると、一宮容疑者は「3月末まで大阪赤十字病院(大阪市天王寺区)で働いていた」と説明していたという。大阪赤十字病院は「一宮容疑者はうちに通院をしていたことはあるが、働いていた事実はない」とした。

    ◇

 県立宮古病院によると、一宮容疑者は当初、別の姓を名乗っており、今年1月に病院訪問に関して連絡をとりあった時に初めて本当の名前が一宮で、一緒に連れて来る「婚約者」の男性の名前も明かしたという。

 同病院で対応を担当していた前事務局次長が、この時に厚生労働省の医師の資格検索システムで調べたところ、一宮容疑者は検索できず、男は同姓同名の名前が3人あったという。

 偽名や検索されないことについて病院側が一宮容疑者に伝えたところ、「患者から暴力を振るわれるトラブルがあり弁護士と相談中で、システムからも除いてもらっている」などと説明したという。

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