宮古市の県立宮古病院に医師と偽り、勤務しようとしたとして、自称大阪市天王寺区上本町5、無職、一宮輝美容疑者(44)が医師法違反容疑で逮捕された事件で、同病院がこれまでに一宮容疑者と、同時に着任予定だった知人の男(自称38歳)のために、官舎の改装費用など計約200万円を支払っていたことが11日分かった。
同病院によると、今年4月初旬、一宮容疑者と男が入居予定だった官舎の2部屋(共に3LDK)を改装し、約100万円をかけてファンヒーター計8台を取り付けた。
さらに、一宮容疑者が「今の家では50インチのテレビを使っている」「左腕に力が入らない」などと求めたため、30インチ台の薄型テレビや最新式の斜めドラム型洗濯機など、計100万円相当の家電や家具を用意したという。
また、一宮容疑者は、医学の専門用語を用いたり、「大阪府内の国立大医学部出身で、大阪赤十字病院の救急救命医をやっている」などと経歴を偽ったりするなどして、病院側を信用させていたという。
大阪赤十字病院によると、勤務実績はなく、約1年半前まで同院の複数の診療科で診察を受けていたという。【宮崎隆】
毎日新聞 2010年5月12日 地方版