家賃滞納を理由に自宅アパートから閉め出され、居住権を侵害されたとして、大阪府茨木市のパート女性(61)が20日、堺市北区の家主と不動産管理業者に慰謝料など140万円の損害賠償を求める訴訟を茨木簡裁に起こした。
訴状によると、女性は昨年3、7月と今年4月にそれぞれ1カ月分の家賃4万2千円を滞納。家主側に玄関ドアにカバーを掛けられ、計16日間閉め出された。その間、車内や地下街などでの寝泊まりを強いられたとしている。同日、大阪府寝屋川市の女性(56)も同様の被害で那覇市の家賃保証会社などに損害賠償を求め、大阪簡裁に提訴した。
追い出し行為に懲役刑を科す新たな規制法案は6月にも国会で成立の見通しだが、今回訴えた茨木市の女性は2月の法案提出後に被害を受けており、支援団体「全国追い出し屋対策会議」の徳武聡子司法書士は「一刻も早く新法を施行しないと、被害はなくならない」と指摘する。(室矢英樹)