[PR]
ニュース:地方 RSS feed
子ども手当の地方負担「自治財政権を害する」専門家が報告
子ども手当の法制上の問題点と神奈川県の対応策を検討してきた県の検討会議(座長・兼子仁都立大名誉教授)は21日、財源の地方負担を「憲法上保障された自治財政権を害する」とする報告書を松沢成文知事に提出した。
報告書は「国が一方的に課すことは、憲法上保障された自治財政権を害するものと評価する余地がある」と結論付けた。ただ、6月から支給が始まる今年度分は、県民や給付事務を担う市町村への影響を考慮し「やむをえない」と指摘。来年度以降の制度設計について国と協議することを優先すべきだとした。
地方負担をめぐっては、松沢知事が昨年12月、国に抗議してボイコットを宣言。今年度の支給は容認したものの、「違憲立法を理由にあらゆる法的措置を講じる」と、専門家の意見を聞く検討会議を設置した。
報告を受け、松沢知事は「専門的解釈を一つの武器に、国と地方の協議の場などで地方負担を阻止する戦いに入っていかねばならない」と述べた。県としての対応を来週、正式決定する。
また、兼子氏は「自治財政権は、関係する条文を読み合わせる解釈をして初めて、憲法で保障されるかどうかが解明される。学会には既存の研究業績がほとんどなく、最先端の研究成果が発表できた」と、県の問題提起を評価した。