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【ドラニュース】


落合監督「若手チャンスある」

2010年5月21日 紙面から

チームに合流し守備練習で軽快な動きを披露する井端=西武ドームで(佐藤哲紀撮影)

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 若竜よ、チャンスはまだあるぞ! 左脇腹を痛めていた中日・井端弘和内野手(35)が20日、西武ドームで行われた1軍の練習に合流。21日の西武戦から戦列復帰する。頼もしい限りだが、即スタメンは微妙な状況で、右脇腹を痛めている和田一浩外野手(37)も引き続きDHでの起用が濃厚。若手にもチャンスはある。落合博満監督(56)はギラギラしたアピールを待っている。見せるなら今だ。

 不動のレギュラーが1人帰ってきた。「2番セカンド、井端」。頼もしい響きだ。そのまま自分のイスに座るのか。最後に決めるのは落合監督だ。そしてこう話していた。「痛みは本人にしか分からない。登録してもすぐに(スタメンで)使うとは限らない」

 井端の出場選手登録が一度見送られた18日のこと。落合監督は登録即スタメンではない可能性も示唆した。「オレもやったことがあるから分かるけど、日にち薬のところがある」。少しでも休ませることが薬になる。それでどこまで回復するか、当日の様子を見るまで判断できないのだ。

 井端の状態によっては代打の切り札という起用法も考えられる。となれば「2番」も「二塁」も、空席ができるのだ。

 さらにもう一つ、確実な空席がある。「左翼」だ。右脇腹痛の和田は先のロッテ戦からDHで2試合出場。ロッテ戦前、落合監督はこう話していた。「4試合ある。1週間あるんだ」。ロッテ、西武と続くビジター4戦。和田をDHで使えば、守備負担を軽減できる。回復の助けにもなる。

 回復を待つ4試合。つまり残り2試合はまだ「左翼」に空席がある。そこを狙うのは松井佑、野本ら若手外野陣だ。松井佑は「準備はしています」と、きっぱり。この日の練習では左翼の位置で打球を追った。

 井端不在の穴を埋めてきた岩崎達にもまだチャンスはありそうだ。スタメンではなくとも、大差の終盤で井端の後を受けることもありそう。何よりその仕事ぶりを落合監督が認めていた。

 「よくやってると思うよ。アイツは守ってくれればいい。打席は1試合にせいぜい4回くらいだろ。でも守備は9イニングある。打球を処理する回数自体は少なくても、それぞれの打球に対応した動きがあるんだ。しっかり守って、しっかりバントして送ってくれればそれでいい」

 井端不在の間に、レギュラーへの可能性を示した1人だ。落合監督はもちろん見ている。他の若手たちの姿勢も。

 「最低限のレベルには達してきたと思う選手は増えた。あとはそこからどうやって自分を生かすか。何を使って、どこを伸ばせば、今のチームで試合に出られるのか。それを自分たちで考えていかなきゃいけない」

 土台ができた若手の数は確実に増えた。さらにステップを上がる過程で欠かせないのが、それぞれの自覚だ。

 「こっちがああしろ、こうしろと言ってやらせてもダメだ。自分でやろうと思ったことじゃないと身に着かない」

 今季は例年以上にチャンスが多い。セ・リーグ3強の争いを続ける一方、巨人や阪神より圧倒的に多くの出場機会が若手に与えられてきた。その中から新人・大島が中堅に定着しようとしている。チャンスはある。ポジションもそこにある。落合監督は言う。「与えられたヤツはもろい」。ポジションが欲しければ奪うしかない。 (生駒泰大)

◆井端「そのつもりで来た」

 頼れる男がいよいよ帰ってくる。左脇腹痛で5日に出場選手登録を抹消されていた井端が1軍に合流した。西武ドームで行われた練習に参加し、約2時間、感触を確かめるように汗を流した。

 「きょうは100%でやりましたけど、痛みはありません。あとはどれだけ(体が)もってくれるか。大丈夫ですよ」

 戦線離脱のきっかけは1日の広島戦(マツダ)で受けた死球。その後の精密検査で肋骨(ろっこつ)の骨挫傷と診断された。完治までに1カ月ほどかかるとされ、長期離脱も予測されたが、驚異的な回復力で状態を日に日にアップさせてきた。ナゴヤ球場などで練習を重ね、この日のフリー打撃や二塁の守備で状態を最終確認。出場を判断するのはあくまで落合監督だが、21日の西武戦(西武ドーム)での復帰へ、準備は整えてきた。

 「出場する? そのつもりで来ましたし、自分のやるべきことをしっかりやっていきたいですね」と井端。練習を見守った石嶺打撃コーチは「あれだけ振れれば大丈夫」と太鼓判を押す。チームは前カードのロッテ戦で2連敗を喫している。井端の復帰を巻き返しのきっかけにしたい。 (清水裕介)

 

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