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北九州の小5自殺訴訟が和解 市「対応に適切さ欠いた」(1/2ページ)

2010年5月21日14時33分

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 北九州市若松区で2006年3月、市立小学校5年生の永井匠(たくみ)君(当時11)が自殺したのは担任教諭(退職)の体罰が原因だとして、両親が市に損害賠償を求めた訴訟は21日、福岡高裁(古賀寛裁判長)で和解が成立した。市が「校内での対応が適切さを欠き、自殺を防止できなかった」と一定の責任を認めた。

 原告側によると、和解条項は(1)市は自殺を防止できなかった責任を認め、再発防止に向けて取り組む(2)学校管理下の事故に共済金を支給する独立行政法人日本スポーツ振興センターが、市を通じて災害共済給付金2800万円を支払う、という内容。センターによると、給付金の支払いを裁判の和解で決定した初めてのケースという。

 一審の福岡地裁小倉支部判決によると、担任は06年3月16日午後、匠君が掃除の時間に新聞紙を丸めた棒を振り回し、女児に当たったと聞いて注意。匠君が反論すると胸ぐらをつかんで揺すった。匠君が「帰る」と言うと「勝手に帰りなさい」と応じ、教室を飛び出した匠君が戻ってきた時には「何で戻ってきたんね」と怒鳴った。同日夕方、匠君が自宅で首をつっているのが見つかった。

 判決は担任の一連の行為は体罰に該当すると認定。市に損害賠償金約880万円、センターに給付金2800万円の支払いをそれぞれ命じたが、両者とも控訴した。

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