嘉手納議会、抗議へ クラスター弾

「住民の安全に影響」

2010年5月18日 09時37分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【中部】米空軍嘉手納基地に飛来している米海兵隊岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機が17日、クラスター弾を沖縄本島周辺に投下したとみられる問題で、同基地周辺自治体からは「地域住民の安全にかかわる問題」と抗議の声が相次いだ。同機からのクラスター弾投下が疑われるのは12日に次ぐもので、嘉手納町議会は18日の臨時議会で、外来機の飛来中止と嘉手納弾薬庫のクラスター弾の撤去、演習でのクラスター爆弾の使用禁止などを求める意見書と抗議決議を提案する。

 嘉手納町議会の田仲康榮基地対策特別委員長は「町議会は、クラスター弾が使用されるたびに米側へ抗議してきた。今年8月にオスロ条約(クラスター爆弾禁止条約)が発効される状況を目前にして外来機の飛来が相次ぎ、クラスター弾を使用した演習をすることは、国際世論に挑戦するやり方だ」と批判した。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)会長の野国昌春北谷町長は「クラスター弾を使用した演習が続いていて誠に遺憾。地域住民の安全に影響する問題であり、三連協としてしっかりと(抗議を)やる」と述べ、国や米軍に対する抗議を検討する方針を示した。

 県平和委員会の大久保康裕事務局長はクラスター弾について「敵の上陸を阻止する目的で水際に投下されることから、鳥島射爆撃場など沖縄本島周辺で使用されている可能性が高い。小分けになった爆弾が不発弾になる可能性は約20%。散布の範囲は高度によって異なるが、事故につながる恐れもある」と懸念する。その上で「米軍による基地の使用特権が、日米安保条約改定前と同様の形で密約として残されているのであれば、何をやってもいいということになる。鳩山政権でこれまでに追及しきれていない密約に関する検証を急ぐ必要がある」と指摘した。

きょう修復訓練
嘉手納基地

 【嘉手納】嘉手納基地は17日、「エックスプローセブ・シミュレーター」(模擬爆発装置)を使った基地修復訓練を18日午後1時ごろと、19日午前6時から午後2時までの間、嘉手納弾薬庫地区の通称シルバーフラッグサイトで実施する、と嘉手納町に伝えた。

 同基地によると、18日は模擬爆発装置を一度に数発ずつ使用、19日は3度に分けて数発ずつ使い、訓練するという。

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