ゆうちょ銀:限度額2000万円に かんぽ2500万円

2010年3月23日 23時36分 更新:3月24日 1時2分

 政府は23日、郵政改革の概要を固めた。ゆうちょ銀行への預け入れ限度額は現行の1000万円から2000万円、かんぽ生命保険の保険金上限は現行の1300万円から2500万円へと大幅に引き上げる。日本郵政グループは現在の5社体制から3社体制に再編し、政府のグループ親会社に対する出資比率と、親会社の金融2社(ゆうちょ銀、かんぽ生命)に対する出資比率はいずれも3分の1超として、小泉政権以来の郵政民営化路線の転換に乗り出す。

 亀井静香金融・郵政担当相が23日、原口一博総務相、日本郵政の斎藤次郎社長と会談し、最終調整した。亀井担当相らが24日発表する。政府は、こうした内容を盛り込んだ郵政改革法案を今国会に提出し、会期中の成立を目指す。

 郵政改革の素案は2月に公表され、日本郵政グループを3社体制に再編することが固まっていた。持ち株会社の日本郵政が郵便局会社、郵便事業会社を合併し、新たな親会社を設立して、ゆうちょ銀とかんぽ生命が傘下に入る。政府の出資比率が3分の1超あれば、経営にかかわる重要な決議を政府が単独で拒否できる。

 全国一律サービスの対象を、現在の郵便のほか、貯金、保険に拡大。グループの従業員約40万人の半数を占める非正規雇用のうち、最大約10万人を正社員化する。コスト増に対応するため、ゆうちょ銀やかんぽ生命の限度額を引き上げる。また、金融2社が親会社に支払う手数料に対する消費税(現行約500億円)を減免する。

 政府は当初、政府の出資比率は2分の1超、ゆうちょ銀への預け入れ限度額引き上げも3000万円で調整していた。だが、金融業界が強く反発し、ともに当初の方針から引き下げた。【望月麻紀】

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